二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINAL FANTASYⅦ—序章—   コメント下さい!! ( No.83 )
日時: 2010/12/16 23:18
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)

   Capter ⅩⅥ —制服—

                            *Aerith side*

ワンピース、返すときって洗ったほうがいいかなぁ。
クラウドの気持ちなんかよそに、エアリスはそんなのんきなことを考えていた。
制服って、着づらいよね。
特にこの制服、背中のフックが・・・。

あ、あれ??

閉まんない・・・。
どうしよう。
とりあえず、スカートもはいて、ワンピースも畳んである。
けど・・・。

「し、閉まんない・・・」

「どうした?」

思わずもらした弱音が静かな廊下(外)まで聞こえてしまったらしく、クラウドの声がした。
エアリスは慌てる。

「いや、あの、制服のフックが閉まんないな〜・・・って。だ、だいじょぶだから入ってこないでね!?」

「そうか・・・。俺は待ってるから、気にしなくていいぞ」

そういわれたものの、やっぱりあまり迷惑はかけたくない。
・・・でも閉まらない。
彼女は気づいていなかったが、実はフックがつるつる滑っているうちに半周して逆になっていたのだ。

もう!!なんなのよ、このフックは!!
困ったなぁ。どうしよう。
でも、閉めないで出るなんてやばいし。
ええい、しょうがない!!
エ ア リ ス は と う と う 、テ ィ フ ァ な ら 絶 対 に や ら な い 行 動 に 出 た ! !
(↑ゲーム風)

「クラウド、ちょっと来て!・・・ハイってだいじょぶよ。ここにはわたし以外、いないし」

「ええ!?来てって・・・。女子トイレの中へか!?なんで!?」

「いいから!早く!腕がしびれちゃう〜・・・」

エアリスの言葉に含まれた気迫に押されたのか、クラウドはしぶしぶという顔で入ってきた。
鏡の正面に立つエアリスの後姿を見て、度肝を抜かれたという顔で立ち止まる。
そこにその顔が映ったから、エアリスにもその表情が見えた。

「ちょっ・・・!?まだ閉めて・・・!?」

「お願い、閉まらないの。閉めてぇ〜」((汗

クラウドは思わずたじろいだが、そっとエアリスの髪をのける。
フックを直す。

「ふ〜・・・。ありがと」

「ああ・・・」

お互い顔を見合わせる。
赤い。
お互い、思った。

「顔、赤いよ」

「あんたこそ」

沈黙。
やがて、エアリスがクラウドの背後に回り、背中を押す。

「はいはいはい、戻りましょ〜!」

顔、元にもどったかわからない。
それでも彼女は、彼と一緒に外へ出ると、走る。

「先に行っちゃうよ。・・・このまま来ないのはやめてよね?」

エアリスが教室に駆け込むと、ちょうどプールの授業の次の教科が終わった休憩時間だった。
ティファが驚いて駆け寄る。

「エアリス!?大丈夫なの!?排水溝のせいで、溺れかけたって聞いたわよ!?」

「うん、平気。ひとまず保健室で薬も飲んだし」

結局、その日の最後の授業には、クラウドは遅れてきたという。