二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 。*・。REBORN!短編小説をダラダラ。*・。 ( No.27 )
- 日時: 2010/10/01 18:49
- 名前: ひろ ◆j6drxNgx9M (ID: E616B4Au)
「———こんなもんで大丈夫ですね!!」
「やっと終わりかよ・・・」
ハルの買い物につき合わされた隼人はへなへなとしゃがみ込んだ。
3時間も立ちっぱなしだったのだ。
無理も無い。
するとハルは急に「あ」と声を上げた。
「どうしたんだ?」
「もうすぐお父さんが誕生日だって事、すっかり忘れてました!!」
・・・なんて女だ。
そして更に、ハルはとんでもない事を頼み込んできた。
「隼人さん、誕生日プレゼント選ぶの手伝ってもらえませんか!?」
「・・・・・・」
ここまで来たからには仕方が無い。
とことん付き合ってやろうではないか。
「わぁ!!カッコいい髑髏のリングがイッパイです!!」
男用指輪コーナーに来て、ハルは感嘆の声を漏らした。
そこまでビックリする事だろうかと思いながら、隼人はショーケースを見て回る。
「あ」
あった。
いや、無い筈は無いのだ。
それは今隼人が1番欲しい髑髏のニューリングだった。
クロームに何が欲しいか訊かれ、答えた物でもある。
まぁ、結局クロームはくれなかったが。
隼人がずっとそれを見ていると、ハルが後ろへやって来て、携帯をなにやら操作して満足げな顔になった。
隼人は興味深々でリングを見ていたため、気付かなかった。
———刹那!
「はひっ!!??」
「んな!!」
耳元で叫ばれたため、隼人はハルの声を聞いて縮こまった。
ハルは携帯を見ていた。
「どうしたんだよ!!急に大声だすな!しかも耳元で!」
「はひ!すいません!」
ハルはしゅんとする。
しかしそうしたのもつかの間、ハルは隼人に明るく言った。
「隼人さん、イヤリングコーナー行きませんか!?」
「おめーの親父、イヤリングすんのかよ」
「あ、たまにですけどね」
さー行きましょー!と、ハルはズンズン進み始めた。
よく分からないまま、隼人はハルに付いて行った。
「ありがとうございました」
ハルは満足げに綺麗にラッピングされた小箱を店員から受け取った。
隼人は申し訳なさそうに言う。
「・・・おい、俺の欲しいモンで良かったのか?お前の親父・・・」
「髑髏のイヤリングなんてデンジャラスでいいじゃないですか!ハルは好きですよ」
そこまで言われると、何も言えなくなってしまう。
まぁ、良いかと隼人は思った。
(今日は意外とまともな誕生日だったな)
隼人の脳裏をよぎる、幼い頃の記憶。
申し訳なさそうな姉・ビアンキの顔。
それに比べれば、今日は幸せな方だ。
ハルは隼人を振り返って言った。
「じゃあ、そろそろツナさん家行きましょう!」
「あぁ」