二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リボーン 神様のドルチェ【200突破ありがとうございます!】 ( No.60 )
日時: 2010/10/12 15:48
名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)

∮.鮫の霧散歩

※CPは重視しておりません。
 ですので、スクマモのつもりはございません。

「・・・う゛おぉぉい・・・何でこんな事になったんだぁぁ・・・?」
独立暗殺部隊ヴァリアー所属のS.スクアーロは1人低い唸り声を上げた。
スクアーロの背中には、何故か呪いが一時的に解けた霧のアルコバレーノ・マーモンが、大人の姿でスクアーロに背負われていた。

それは数時間前に遡る———


「ねぇ、スクアーロ」
呼び止められ、スクアーロは振り返り、驚きの表情をする。
「マーモンかぁ??お前ボスと一緒に任務に行ったんじゃあなかったのかぁ?」
「本当は僕が行く予定だったんだけど、ベルが行くって息巻いてきかなくてね。僕はフリーになったってこと」
マーモンは小さな肩をすくめてみせる。
スクアーロは笑った。
「う゛おぉぉい、大変だなぁ!!」
「まったくだよ。・・・そこで、君にお願いがあるんだ」
「なんだぁ?」
スクアーロがマーモンに訊ねる。
するとマーモンは———スクアーロを地に落とすようなお願い事をした。

「———食べ歩きとか、してみたいんだ。勿論君のお金でね」

「・・・う゛おぉぉぉぉいぃぃぃ!!??」
「煩いよ、スクアーロ」
叫び散らすスクアーロを、マーモンがしっかりとたしなめる。
しかしスクアーロの怒声は留まる事を知らない。
「おいマーモン!!つまり俺に金を払えって言ってんのかぁぁ!!??」
「その通りだよ。物分りが良くてよかっ、」
マーモンの言葉を遮り、スクアーロは続ける。
「う゛おぉぉい!!冗談じゃねぇぞぉ!俺以外の奴に頼んでこぉい!」
マーモンははぁ、とため息を着いた。
「ルッスーリアとはもう行ったし、レヴィと行くなんて真っ平ごめんさ」
「・・・おい、今のレヴィにチクるぞぉ」
スクアーロの冗談を無視し、マーモンは続ける。
「それに、全部君に払わせるなんて言ってないだろ?足りない分は僕が補う。君もいい物食べれるし、一石二鳥だろ??」
今の日本のことわざの使い方は合っているのだろうか?と思ったが、敢えてスクアーロは何も言わなかった。
どちらにせよ、損をするのは自分のほうだ。
スクアーロは踵を返し、歩きながらマーモンに言った。
「わりぃが他を当たれぇ。俺もそこまで暇じゃねぇんだからなぁ」
「・・・ちぇっ、残念だなぁ」
マーモンが更に肩を竦める。
スクアーロは少し嬉しそうに「わりいなぁ」と言った。
———瞬間、

ブワッッ!!

「!?」
スクアーロの周りが、藍色の霧で満たされる。
それがすぐにマーモンの物だと分かるのに、数秒もかからなかった。
スクアーロはまた踵を返し、マーモンに近寄る。
「お゛いぃ!!大丈夫かぁ!?マーモ、がふっ!」
スクアーロが叫んでいる途中、スクアーロの上に何やら黒い塊が落ちてきた。
流石のスクアーロも綺麗には受け止められたかった。
スクアーロはごそごそと下から顔を出す。
黒い塊はまだ、スクアーロの上に乗ったままだった。
霧が静かに引いていく。
スクアーロは顔をしかめながら黒い塊を揺すった。
「・・・??なんだぁ?これ?」
力を入れ、スクアーロは黒い塊を持ち上げる。
人のようだ。
スクアーロは辺りを見渡し、頭をかいた。
「う゛おぉぉい!?マーモンは何処行ったぁ??」

「煩いね、ここだよ、スクアーロ。あんまり揺すらないでくれるかい?あと、その大声も止めてよ。頭に響
く」

「・・・な゛!!??」
スクアーロは声を張り上げる。
黒い塊が、喋りながらむっくりと起き上がったのだ。
スクアーロは黒い塊を見て、吃驚びっくりした。
頬には見慣れた模様が書かれてあり、フードを深く被っている。
髪の毛が伸びていて、身長はスクアーロの肩ぐらいだった。
全身黒ずくめで、まるで・・・、
「マ、マーモンかぁ・・・?」
「よく分かったね」
黒ずくめの者———マーモンは藍色のおしゃぶりをスクアーロに見せた。
「・・・な、何で・・・。どうなってやがんだぁぁ!?」
スクアーロは、ただ大きくなったマーモンを見つめるだけだった。