二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リボーン 神様のドルチェ【400突破ありがとうございます!】 ( No.96 )
- 日時: 2010/10/25 19:39
- 名前: 無花果 ◆j6drxNgx9M (ID: 2Sdxx4yv)
「・・・守護者反応って・・・何すか、リボーンさん」
獄寺が呆然としながら訊ねる。
リボーンは更に鋭い眼光を春とアリサに向けながら言う。
「守護者反応ってのは、ボンゴレリングを所持する奴から自然と発せられるいわゆる電波みたいなもんだ。お前らからも出てるんだぞ」
「という事は・・・奴も守護者という事か!?」
「そうだろーな」
了平の言葉を短く肯定するリボーン。
するとツナが声を上げた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!じゃあ俺達今から仲間と戦おうとしてる訳!?」
「まだ仲間って決まった訳じゃねーぞ」
「だけど・・・!!」
やはりまだ納得していないツナは言葉を飲み込む。
その時雲雀がチャキッとトンファーを構えた。
「何もたついてるの。要するにあの2人を倒せばいいんでしょ?」
「あぁ、今はな。・・・問題ねーか、ツナ」
「わ、分かったよ・・・」
ツナは一気に死ぬ気弾を2錠飲み込む。
ボウッという着火音と共に、ツナの額と両手からはオレンジ色の炎が溢れ出す。
他のメンバーも自分の武器を構え出す。
———その時、初めて春の虚ろな黄色黒い瞳に光が宿る。
まるでその時初めてツナ達を認識したように・・・。
「———行くぞ」
ツナの掛け声と共に、ツナ以外の5人がダッ、と走り出し、一直線に春目掛けて攻撃を開始した。
やはり1番最初に春の近くに到達したのは雲雀だった。
春は肩を竦めてみせる。
「———馬鹿にしてるのも今のうちだよ」
雲雀のトンファーが春の脇腹に入りそうになったその時———
・・・ガキイィィィィィンッッッ!
———何かが、雲雀のトンファーを遮った。
・・・それは“雲雀のトンファー”だった。
「———っっ!!」
雲雀は息を飲んだ。
見間違える筈が無い。
それは雲雀専用の仕込みトンファーだったのだから。
———相手は、さっきの女の後ろにいたスーツ姿の弱者・・・?
しかし相手にとって不足は無い。
とっとと倒し、次に向かえばいい事だ。
そう雲雀が瞬時に判断した瞬間、スーツ姿の弱者———アリサはドスの効いた声で言った。
「———主には指一本触れさない」
———危ない。
ガキィン!
アリサが勢い良く左手に握ったトンファーを薙ぎ払う。
そのトンファーに触れていた雲雀は勿論壁に叩きつけられる。
「ぐ・・・」
「雲雀!大丈夫か!?」
背中を強く叩きつけられ、中々苦しそうだ。
リボーンを肩に乗せた山本が駆け寄る。
リボーンはアリサを見て言った。
「一筋縄にはいかねーみてーだな」
「あぁ、そうだな」
ぴょんとリボーンは山本の肩から降り、雲雀に言う。
「行けるか?」
「行けるに決まってるでしょ」
雲雀はスクリと立ち上がる。
そして憎々しげにアリサを睨みつけた。
「———果てろ!」
“赤炎の矢”!
ドウッと銃口が赤い火を吹く。
それはアリサに直撃した———ように思われた。
ドカアァァァン!!
「いよっしゃ!!」
ガッツポーズを作る獄寺。
「極限に良くやったぞタコヘッド!」
了平が大声を上げる。
しかし静かに獄寺がそれを制した。
・・・異変に気付いたからだ。
当たったのならば、倒れる音がしてもおかしくない。
———なのにまったくしないのだ。
「・・・何か変だな・・・———っ!」
土埃が晴れ、アリサの姿が露わになる。
獄寺は驚愕した。
———“C.A.I”が、アリサの周りに展開されていた。
「・・・な!!どうなってんだ!?」
愕然とする獄寺。
その脇から、了平がすっと姿を現し、拳を振るう。
「死角———正攻法でいけないのは残念だが、今は仕方なかろう」
「!」
アリサが了平に気付き、急いで振り返る。
その瞳に微かな動揺が見られる。
アリサが了平の攻撃を受け止めようとしたが、後ろから獄寺の赤炎の矢が迫る。
ドガァァァン!!!!
しかしこれも上手くC.A.Iで防御するアリサ。
しかし———
「“首の後ろ”は最も人間の死角だ」
了平が迫っていた。
ボクゥッ!!
了平の拳が、アリサの背中に直撃した。
———しかし、アリサはそれをいとも簡単に左手で受け止めていた。
「な!?」
(確実に防御出来ないスピードで狙ったのに———!)
アリサが低い声で言う。
「・・・ボクシングなら、昔護身術としてちょっと齧った事がありますよ?」
齧っただけでこんなに完璧なガードは出来ない。
良くても3年は掛かる。
「・・・く!!」
シュシュシュシュシュッッ!!!!
了平は素晴らしい速さでパンチを繰り出していく。
それを凄い速さでアリサも避ける。
後ろでは獄寺が何度も赤炎の矢を発射しているが、アリサの展開しているC.A.Iシールドによって防御されている。
アリサがパシッとパンチを繰り出していた了平の拳を受け止める。
「こんなものですか??」
「ぐぁ!!!!」
アリサは受け止めていた了平の拳を腕ごと自分の方にひっぱり、開いている右手で思いっきり了平の左頬を殴った。
地面に転がる了平。
「芝生!!」
獄寺が転がった了平を心配して見やる。
隙を狙っていたアリサはそんな獄寺を見逃さない。
「———余所見をしている場合ですか?」
「んな!?」
気付くと恐ろしく離れていた筈のアリサが目の前に現れていた。
———ありえない。
“普通の人間”に、こんな戦いが出来る筈が———
「・・・何してるの。早く攻撃しなよ」
「・・・!?」
「雲雀!!」
ギャイィィィン!!
雲雀がトンファーでアリサを殴りつける。
アリサはC.A.Iシールドで防御したが、限界が来たらしく、ぱりんと儚く砕け散る。
雲雀はトンファーをグルグルと回し、ジャキンと構え直す。
雲雀は獄寺に言った。
「1つ貸しだよ」
「・・・ち」
獄寺が頭をかく。
アリサは春を見る。
春はただ、じっとアリサを見つめていた。
———“来るぞ”・・・そう言っている様に。
アリサも体勢を整える。
———その時!
「・・・邪魔、しないで」
“夢幻之火柱”!
どごおぉぉぉっ!
何本もの火柱がアリサを襲う。
倒れている了平と、獄寺と雲雀には当たらないように。
アリサの身動きが取れなくなる。
獄寺が言った。
「ナイスだクローム!」
「うん」
———その時、
「———っっ!!」
今まで顔色をまったく変えなかった春が、クロームを見て愕然とした。
しかし、その事に気付いたのはアリサだけのようだ。
「・・・主!!」
「っ」
ドウッ!!
ツナがアリサに迫っていた。
春は辛うじてユニコーンの角———月馬剣でツナの攻撃を受け止める。
山本は何故か疑問に思う。
(!・・・何か変だ・・・。あの金髪女、ツナだけはすんなりと栗色の女の所へ行かせやがった・・・。何でだ・・・??)
リボーンはただじっとツナと春を見つめていた。
ツナが春に言う。
「お前・・・、ボンゴレの守護者なのか」
「・・・・・・」
「何で、こんな事をするんだ」
「・・・・・・」
「・・・何とか言ったらどうだ!!」
ツナが大声を上げる。
春は静かに目を閉じると、ツナに告げた。
「———全ては、私を倒してからにして頂きたい。・・・“ボンゴレⅩ世”」