二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リボーン!】運命のソーサリー ( No.444 )
- 日時: 2011/02/04 20:59
- 名前: 桃香 (ID: 34Ns4Wp.)
- 参照: ディーノ誕生日おめでとう!!!
番外編お題3 落ちる、落ちる、深みに嵌る。
本当はね、分かってた筈なのに。
自分が、仮なんだって事も、ね。
でも、実際に言われるのとじゃ全然違うなぁ・・・。
私、本当に要らなかったんだ。ヴァリアーに。
でも、後悔なんかしないもの。
だって、アリスに協力したいと思ったのは、私自身だから。
でもね、でもね、一つだけ後悔するとしたら・・・・・、そう。
自分自身の覚悟の無さ。
面と向かって言われないと気付かないなんて。
予想は、してた筈なのに。
・・・どうして?
傷付くのが、嫌だったから。
そう、それだけ。
任務に感情なんか混ぜちゃいけないって、分かってた筈なのにさ。
感情を、混ぜたのは私だから。
そう、全部、私がいけないの。
XANXUSにもう気の波動を有する者は居ないと勝手に判断したのも、私。
アリスが記憶を失った事を知って、とても情が篭ってしまったのも、私。
そう、全部————————。
落ちて落ちて、そのまま地獄へ・・・・・落ちれば楽なのかもね。
今ここに居る世界が、私にとっては地獄以上の物以外何者でも無い。
ヴァリアーにも、ボンゴレにも、・・・裏社会からも否定されて。
でも、今更表社会等に戻れる訳もなくて。
居場所を失くした少女の、小さな小さな背中は。
とてもとても儚くて。
今すぐにでも消えてしまいそうな程。
「助けて。・・・何て、私に言う資格は無いもんね」
何度も、少女は「助けて」と叫ぶ人の声を無視して任務を遂行して来た。
今更「助けて」なんて言っても、誰も助けてくれないだろう。
・・・過去の仲間でさえも。
もう少しで、泥の中に埋まってしまう。
「助けて」と言ったって、結局は誰も助けてくれない。
そのまま。・・・自分なんていっそ埋まってしまえば良いのだ。
そう、少女は考えた。
でも、僅かな期待を込めながら—————。
「アリス・・・お願い・・・・・」
そっと、小さな声で呟いた。
「助けて、アリス・・・」
「どうしたの?」
そっと、カーテンをシャァッと開けてくれたシナモン。
居たのも、気付かなくて。
でも、そっと、見守ってくれていたと思うと、嬉しくて。
「ありがとう」
「え?!私、ただカーテン開けただけだけど?!ど、どうしたの?!今日なんか変だよ!?」
優しさを無意識でやれるアリスを、ちょっぴり羨ましく思いながら。
「おはよう!!」
「おはよう・・・」
「ど、どうしたの?!目の下、真っ赤だよ!?」
・・・・何時の間にか、泣いてしまっていたらしい。
でも、でもね。
今日だけは、泣かせて。
心の闇を取り払ってくれたのは、同じく少女の笑顔でした・・・。
心の中で感謝しながら、・・・やっぱり気の守護者だな、と思った。
気の守護者の使命・・・・『空間を操り、敵と味方を混ぜてしまう混沌の気』・・・正にその通り。
作った人に褒めてあげる。今日だけはね。
泥の底から、やっと這い上がって来た少女は、同じ位の年の少女に救われた。