二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

---5.始まりの日 ( No.11 )
日時: 2010/11/11 20:47
名前: 璃莉 ◆Lfyfbq.t.A (ID: FxHN6Bqz)

「エリサ! 早く起きなさい! 」


ルウェラ・べレスフィールドの苛立った声が、ロンドン郊外にある、とある部屋に響いた。








5five.








「眠いよぉ……あと5時間寝よっと……」


エリサは布団をかぶったまま、小さな声で呟いた。


「ちょっと! 今日はホグワーツに行く日でしょ!? 」

「ほぐ……わ? 」

「そうよ! 汽車に乗り遅れてもいいの!? 」

「しんがっ……、き、し……わぁぁぁぁ! 」


エリサの脳はやっと正常に働くようになったようだ。エリサはベッドから飛び降りてニ、三度目を瞬かせた後、、びしっと母親を指差した。


「もう! ママが起こしてくれないから遅刻しそうになっちゃったじゃない! 」

「……」


ルウェラは満面の黒い笑みを浮かべた。


「……ごめんなさい! 今すぐ着替えて下に行きます! 」


いやな予感を察知したエリサがすぐに謝ってしまったのは言うまでもない。



***



宣言通り、エリサはさっさとマグルの服に着替え、階下に降りて行った。一階にはいつものようにおいしそうな匂いが漂い、何かを焼いているのだろう------ジュージューといった心地よい音がしていた。


「パパ、おっはよーっ! 」


言いながら、ザックスの読んでいる『日刊予言者新聞』を覗き込む。
内容を読み取ると、エリサは驚きの声を発した。


「特別警戒の金庫が荒らされた!? 本当なの!? 」


真剣に新聞を読んでいたザックスはその声でやっとエリサの存在に気づいたようだ。


「いたのか、エリサ」

「うん、いた。それより、これって------」


エリサの怪訝そうな顔に、ザックスも眉間にしわを寄せる。


「ああ。犯人が捕まっていないんだ。グリンゴッツに忍び込むなんて、強力な闇の魔法使いの仕業かもしれない」

「……まさか『例のあの人』が絡んでたりしないよね……? 」

「そこはまだ分からないが……」


二人が思考を巡らせていると、ルウェラが朝食を運んできた。


「ほら、朝ご飯よ。素早く食べて、荷物の確認をしちゃいなさいね」

「はぁい。ところで、今日はどうやって駅まで行くの? 」


グリンゴッツについてはいくら考えても答えが出なさそうだったので、エリサは話題を変えた。それにザックスも我に返る。


「父さんが車で送っていってやるよ」

「わーい! 」


ザックスの返答にエリサはガッツポーズをして喜ぶ。


「やったー! 」

「何だい、そんなに嬉しいのか? 」

「うん! 久しぶりにパパの車に乗れるんだもん! 」


エリサは、形を変えながら建物や他の車の間を猛スピードで走る魔法の車が大好きだった。


「よーし! じゃあ今日はいつもよりもっとスピード出すぞー! 」

「いぇーい! 」


乾いた音をたててハイタッチする父子をルウェラは困ったように笑いながら見つめた。