二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ---6.キングズ・クロス駅 ( No.12 )
- 日時: 2010/11/12 18:00
- 名前: 璃莉 ◆Lfyfbq.t.A (ID: FxHN6Bqz)
重いトランクを車に積み込んだら、そこからはあっという間だった。べレスフィールド一家は一瞬のうちにキングズ・クロス駅に到着した。
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時間が早いせいか、9と3/4番線のホームは人気が少なかった。周りを見渡しても、おじさんと息子のペアがひと組だけ。
「どうやらとばしすぎたようだな」
ザックスが頭をかきながら言った。
「これならもっと寝かせてくれれば良かったのに……」
「さて、エリサはどこの寮に入るのかしらね」
ぶつぶつ文句を呟いていたエリサは、ルウェラの一言ではっと顔をあげた。
「大事なこと聞くの忘れてた! 」
「なぁに? 」「なんだい? 」
「パパとママってどこの寮だったの? 」
------ああ! 十一年間もなんでこんな大事なことを聞いてなかったんだろう!
「ねぇねぇ、どこだったの!? 」
「エリサ、落ち着きなさい」
興奮しているエリサをなだめながら、ルウェラは言った。
「ママはグリフィンドールだったわ」
その答えに、エリサは納得して頷いた。
------なんだかんだいって、穏やかで優しいお母さんだもんね……
しかし、次の一言で固まることになる。
「父さんはスリザリン出身さ」
しばらくの沈黙ののち、ようやくエリサは反応した。
「えっ!? 」
「どうかしたかい? 」
ザックスは不思議そうな顔をしている。
「えっと……パパがスリザリン出身だって知ってびっくりしちゃったの。だってスリザリンって闇の魔法使いが多いとこでしょ? 『例のあの人』もそこ出身らしいし……。ほら、パパはすごいいい人だから……」
必死に弁解するエリサに、ザックスはにっこりとほほ笑みかけた。
「確かにスリザリンを出て闇に落ちた人はほかの寮よりは多いかもしれない。でもそれは一部の話さ。父さんの友達なんかは皆いい人たちばかりだったよ」
それを聞いて、密かに、スリザリンだったらどうしよう、と思い緊張していたエリサの気は緩んだ。
「私、グリフィンドールかスリザリンに入りたい! 」
そのとき、汽車が黒い煙とともにホームに入ってきた。