二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

---1.笑みのこぼれる朝 ( No.2 )
日時: 2010/10/24 14:01
名前: 璃莉 ◆Lfyfbq.t.A (ID: FxHN6Bqz)

「パパ、ママ〜! ホグワーツから手紙が届いたよ〜! 」


ふわふわの濃げ茶色の髪を揺らしながら、一人の少女が階段を駆け下りてくる。その愛くるしい顔に満面の笑みをたたえながら。








1one.








一階に着くと、キッチンにはおいしそうな匂いが漂っていた。朝の光が窓から差し込んでとても気持ちがいい。


「おはよう、エリサ」


エリサの母、ルウェラは朝食を作る手を止め我が子に微笑みかける。


「おはよう! ねぇ見て見て」


エリサが手に持った封筒を自慢げに掲げると、ルウェラはより一層笑みを深くし、エリサを抱きしめた。


「入学許可証ね。おめでとう」

「うん、私ホグワーツに行けるんだ! 」

「そうよ。ホグワーツはとってもいいところよ」


しばらく母の腕の中で幸せに浸っていたエリサだったが、何かに気づいたらしく、あたりをきょろきょろと見まわし始めた。


「どうかしたの? 」

「えっと……パパは? 」

「お父さんは今朝緊急に魔法省に呼び出されてね。明日には帰ってくるかな」

「えぇっ!? 娘が新たな切符を手にしたところを見ないなんて! 」


エリサは腰に手を当てて拗ねたような顔をした。その様子にルウェラは声をあげて笑う。


「しょうがないでしょ。それより今日は休みだから、お父さんおいて二人でお買いもの言っちゃおっか! 」

「賛成! 」


母子はエリサとそっくりに拗ねる父親の姿を想像し、顔を見合わせて噴き出した。


「ダイアゴン横町でしょ? 」

「そうよ。 学用品で、そろえなきゃいけないものがたくさんあるからね。 」

「早く行きたい! 」

「ちゃんと身支度してからよ。まず第一に朝ご飯を食べること! 」


そう言うとルウェラは料理を再開した。エリサは期待に胸を膨らませながら、羊皮紙の封筒を再度強く握りしめた。