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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ---2.漏れ鍋で ( No.3 )
- 日時: 2010/10/24 20:35
- 名前: 璃莉 ◆Lfyfbq.t.A (ID: FxHN6Bqz)
「はぁ……疲れた……」
「そうね……少し休みましょうか……」
2two.
ルウェラとエリサはマグルの乗り物------確か『車電』といったか------で漏れ鍋までやってきた。折角なのでマグルの暮らしを体験したい、とエリサがねだったからだ。しかしそれが予想外に混んでいて、二人は着くころには疲れ果ててしまっていた。
古びたドアを開け近くにあった椅子にへとへとと座りこむと、エリサはもちろん、ルウェラも水を------昼間から酒をのむ気にはなれなかった------店主のトムに注文した。
「へぃお待ち」
トムがテーブルに水を置くと、二人は一気に飲み干した。
「ぷはぁ! あの混み具合にはまいったね! 密室だから空気も悪いし」
「だからお母さんフルーパウダー使おうって言ったじゃない」
「でも……うぅ、ごめんなさい」
それからしばしの休憩をとった二人が、中庭へ向かおうとしている時だった。店内が急に騒がしくなった。そして、エリサの耳にある言葉が飛びこんで来た。
『ハリー・ポッター』。
「「ハリー・ポッター!? 」」
どうやら母にも聞こえていたらしい。同時に声を発し、同時に振り向いた。しかしもうそこには人だかりが出来ていて、見えるのは大男の頭だけだった。皆がハリー・ポッターに握手を求めているようだ。エリサはハリー・ポッターに少し同情した。
--------いきなり自分が有名人として崇められて、大変だろうなぁ。
人ごみにはうんざりしていた二人は迷ったのち、ハリー・ポッタを見るのをあきらめてダイアゴン横町への入口を開いた。
エリサはハリー・ポッターを見れなかったことをやや残念に思ったが、今年ホグワーツに入学するということは聞いていたので、
--------どうせ学校で会えるしね
とすぐに開き直った。
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