二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 伝説の勇者の伝説 Dalkmemory ( No.2 )
- 日時: 2010/11/06 22:17
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
第一章「英雄シオン様と愉快な仲間①」
俺は生まれて初めての光景を目の前にしている。
「んむ。やはり団子はウィニット団子店だな」
金髪の女性──フェリスが団子をほおばりとても幸せそうな顔をしている。
しかし、その隣には黒髪の男──ライナがげんなりした顔でお勘定を見つめていた。
「おい・・。」
ライナがフェリスに呼びかけるが彼女はまったく気にしていない。
──フェリスさんって・・。
そんなセイトの表情を読み取ったライナは静かに首を横に振る。
──あぁ・・。ライナさんが少し可愛そうだ。
素でそう思ったセイトだった。
●
彼女がやっと満足したのは日が少し傾けられた頃だ。
「んむ。おばちゃん。これだけ持ち帰る用に包んでくれ」
団子を指差して頼むフェリスにライナは肩を落とす。
なにせよ、
──持ち帰りように追加注文て・・何個食べるんだろう。
「おい。行くぞ」
団子を包んでもらった風呂敷をライナに押し付け、彼女はずんずん歩いていく。
その後ろではライナがなきながらお勘定を払っていたのだった。
●
「へ〜。大きなお城」
ローランドの王城に着いたのは空が宵闇に包み込まれた時刻だった。
「は〜。疲れた」
ライナとフェリスはズカズカと門をくぐる。
門番達は全く気にしていないというよりかは、はぁ。と溜息を居ついているようだった。
「え?!ちょ。ライナさんフェリスさん?!」
さすがのセイトもライナたちを止めるが、
「ん?大丈夫。だいじょーぶ」
そういい、全く聞いてはくれなかった。
「さて」
二人はなにやら準備運動を始めると──
「急がんとおいてくからな!」
走り出した。
「えぇ?!」
いきなり走り出す二人に驚きつつ戸惑いつつも、セイトもついて行く。
「シオン!」
バン───!!
この城の長い廊下の一番奥の扉──多分シオン様の仕事部屋──をライナがはじきあけた。
「やあ。今日は到着がずいぶんと遅いじゃないか」
今のはまるで日常茶飯事だというように、ケロッとライナに話しかけるのは、部屋の一番奥に座る──『英雄王』ことシオン・アスタールだった。
「君達はもう少し静かに出来ないのか?」
苦笑しながらシオンは話しかけ、部屋を見渡す。
「ん?」
視線がセイトのところで止まる。
「彼は?」
今の質問はセイトではなく、ライナたちに向けられたものだった。