二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 犬夜叉-刹那主義- ( No.62 )
日時: 2011/02/22 21:08
名前: 葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

         
         
 
       
ひとひらの花びらが丁度指に舞い降りた。それは桜。
本当なら高校に入学していた筈の、奇想天外な事情により異世界へトリップした私の春の始まりだった。
 
序盤から気になることがあるであろう。無論何か分かるでしょう?どうしてあんたは受験生なのにぐうたら遊んでたのって言う。うん予想は出来たけどね。
言って置くけど私は受験しないで働く気は無いし、普通に高校生活をエンジョイする予定だ。新しいクラスの皆にも会話やら恋にも花を咲かせるつもりだったし。


(—受験しないんじゃなくて、)
     
私は女子の短距離走で県の大会で入賞した事が何度かあった。でも上には上が居るんだし、結局私のした事なんてちっぽけな事だろうと思っていた。
友達と行きたい市立高校は成績のせいで多分どう足掻いても無理だったろうけど、第2志望の私立の陸上が有名な所は優秀な者を特待生として受け入れていた。そう、なんと私は世間一般で言うスポーツ特待生なんてので高校にちゃっかり入学を決めていたのだ。


 
走ることは、好きだった。
ただそれと同じように遊ぶのも人一倍好きだったし、生活の一環で、特に思い入れがあるとかじゃなく、当たり前で少し嬉しい、そんな時間だった。
そう考えると未練たらたらな訳だけど、もし高校に入学していたらどうなっていたんだろう。…楽しい事とか、嬉しい事とか、夢とかたくさん、あったのかな。
    
          
(寂しい、だけか。)
        
   
心に残る小さな記憶は、ただただ孤独に落ちていく。
今はその一言で片付けられても、きっといつか重みに耐えきれなくなってしまうかもしれない。
この物語は何年続くだろう。果たして終わりは来るのだろうか。それとも誰かに中身を変えられ、永遠に観る事の無き遠い日を抱えて生きて行くのだろうか。



                  
   
事実がありながら、現実でありながら、
夢であればどんなにいいだろうと思った。