二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 犬夜叉-刹那主義- ( No.8 )
- 日時: 2010/11/09 18:41
- 名前: 葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: NRAsdfzb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
04 いぬのおまわりさん
「……うーん………。」
色付いた木々。朝の霜は、その葉の下を濡らしていた。
風は無かった。陽が顔を出した時、私はまだ夢を見ていた。
不機嫌そうに額に皺を寄せて。
「うーん……?」
ふわふわ。ふわふわ。一面のふわふわ。
とりあえず私は昨日見たふわふわの光ってる変な玉の悪夢に侵されていたのであった。
気持ち悪いので一つ掴んで投げてみた。そしたらきゃははと笑い声をあげながら向こうの方に飛んでいった。本当なんなのコレ。気持ち悪いにも程がある。
普通にしてたらまだ、可愛げのある変な物体なのにな。頭上からまたふわふわが飛んできた。
(……?埋まっ…!)
どさどさどさ。袋いっぱいに詰めた荷物を出すような勢いで埋まっていく。ふざけんなこんな死に方したくない。切実に。
(……うわっ、なんだこいつ?……生きてる?)
ふと聞こえた声。
「……生きてるに決まってる…わ…?」
飛び起きた。一気に現実へ引き戻される。
目に映る犬の耳、白い髪の毛。数秒間停止した後、頬に張り付いた落ち葉をぺりっと引き剥がしてみた。
(……手の感触がする。)
「何コレ、え、は?待って頭がァァァァ!!これはアレなの?ええそうよドッキリなの?!いやぁぁぁぁぁそんな事ありえる筈が無い!NO!NO!はぁ意味わかんない何これ?!」
「ちょ、お前が待て!まず落ち着けよ!」
「嫌ぁぁぁ嘘だァァァァ!本人降臨とかいきなり心臓止まりそうな事すんなやぁぁぁぁ!」
「……本当に頭大丈夫か?」
「いやぁはははもうすみまっせんしたー!用事を思い出しましたので帰ります!アデュー!どうぞお元気で!」
目の前の光景が信じられません。あと全速力でまた逃げました。2回目。
10分の全力疾走後力尽きてしゃがみこむ。
ビビって……逃げてよかったのか。息切れハンパないよ!
まぁ大丈夫か。なんだよあの変な生き物くらいにしか思ってないよね。むしろそう思われて欲しい。
そして出来るだけ私の事を思い出して欲しくない。
なんかさ、もっと感動的な出会いをしたかった訳だよ。
初対面を装ってもう一回会いに行きたい。だからさっきの記憶抹消して貰いたい……。