二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.4 )
- 日時: 2010/11/25 18:03
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
無限様
初めてのコメントありがとうございます!!
とても嬉しいです。
レオは自分的に好きなキャラなので、活躍させたいと思いまして。
これからもよろしくお願いします。
あやのん様
コメントありがとうございます。
蜜柑はZに誘拐される設定です。
第一話 —それは突然に—
アリス学園。
そこは、天賦の才能“アリス”を所有する子供達のみ入学を許された、究極の一芸入学学園。
その一角、初等部校舎の初等部B組にから、けたたましい機械音が響き渡っていた。
「なぁ〜蛍〜。何作っとんの?」
ツインテールを持つ少女は、熱心にトンカチを振り上げている紫色のショートの少女に絡みつく。蛍と呼ばれたその少女は、答えることなく目の前の作業に没頭していた。
「なぁ〜なぁ〜蛍〜。」
「五月蝿いわよ。馬鹿蜜柑。」
少女_蛍は、何処からともなく捕りだした、馬足手袋で思いっきりツインテールの少女_蜜柑を殴り飛ばした。
「何すんねん!!」
「五月蝿い。今邪魔しないで。」
「せやかて、何作ってんのか位教えてくれてもええやん。」
蛍は蜜柑を無視し、また作業に戻る。そんな蛍を睨みながら、蜜柑を何やら呻いている。
「おい。うるせぇ」
低く機嫌の悪そうな声が聞こえた。
蜜柑が振り向くと、声の主である日向棗が雑誌を片手に、蜜柑を睨みつけていた。
「ぎゃーぎゃー騒ぐな。迷惑だ。」
「せやかて蛍が教えてくれへんねん。」
「だったら、外で騒げ。」
「そう言わんでも。なぁ蛍。」
蜜柑が同意を求めるように蛍に目を戻すと、呆れたような顔を向けられた。
「蜜柑。棗君の言う通りよ。騒がしいから、外に行ってくれないかしら。」
「蛍まで・・・酷い〜。」
大声で泣きながら蜜柑は、走って教室を後にした。
蜜柑が居なくなり、蛍はやっと集中出来るわと呟き作業を再開した。
所変わって北の森。
蛍に冷たくあしらわれた蜜柑は、とぼとぼと力なく森の中を進んでいく。
「酷いわ、蛍の馬鹿。何してるか位教えてくれてもええやん。」
毒突きながら進んでいるうちに、木が覆っていた視界が突然晴れ、膜の様なモノに囲まれた。
「なっ何や!!」
「久しぶりだな、佐倉蜜柑。」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには嘗て棗を連れ去った張本人_毛利玲生が立っていた。
「何であんたが・・・・。また棗を誘拐しに来たんか!!」
張り上げられた声は微かに震えていて、それに気が付いたのか玲生は、ククッと声を漏らした。
「何が可笑しいねん!!!」
「何だかんだ言ってもまだ子供だな。」
「なんやと!!」
蜜柑は目に力を込め、玲生を睨む。しかし、玲生は意に介した様子もなく、蜜柑に近づいた。蜜柑は一歩ずつ下がるが、背中の膜がそれ以上下がらせてはくれなかった。逆に玲生との距離が縮まる。奥歯を噛みしめ、玲生を睨みつけるが効果はない。
「安心しろよ。今回の目的は黒猫じゃない。」
「へ?」
「今回はお前だ。佐倉蜜柑。」
「う、うち?」
「あぁ。お前を連れてこいとボスの命令だ。」
「なんで?何でうちがあんたらん所行かなあかんねん!!」
「さぁな」
玲生は蜜柑の顔に前に手を伸ばした。驚いた蜜柑は目を逸らそうとするが、縛られた様に体が動かない。
「それは、後のお楽しみだ。」
嬉しそうな玲生の声を最後に、蜜柑は意識を失い、玲生の腕の中に倒れ込んだ。
「終わったのか?」
いつの間にか玲生の後ろに現れた影は、退屈そうに問いかけた。玲生は答えず、代わりに腕の中の蜜柑を見せる。
「だったら行くぞ。」
冷たく無機質なその声の主に、玲生呆れたようにため息を吐き影に続こうとしたが、ふと初等部校舎に振り返り、笑みを作った。
「今度は頂いていきますよ。ナル先輩。」
それだけ言うと、影に続き“穴”を潜った。
残された言葉は、森の木々だけが知っている。
つづく