二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.7 )
- 日時: 2010/11/27 12:43
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
あやのん様へ
二度もコメントありがとうございます。
もう本当に感激しています!!
これからもお付き合い下さい。
シオン様へ
コメントありがとうございます。
頑張りますので、また読みに来てください。
第二話 —捕らえられた思い出—
そこには白い壁が見えるだけだった。
窓も扉も何もない部屋で、蜜柑は目を覚ました。横にされている体は未だ痺れ、言う事を聞かず、唯一動かせた頭は何が起きているのか全く状況を理解していない。
「目が覚めたか?」
ぼんやりとした頭を声がした方に向けると、玲生が壁により掛かり、冷めた目を蜜柑に向けていた。
「こ・・こは・・・」
上手く呂律が回らない舌に憤りを覚えながらも、今の状況を把握しようと必死に喋ろうとした。
「うち・・・・確か・・学園で・・蛍が何か作って取るの見て・・そや、蛍と棗に怒られて、北の森に行って・・・・」
そこまで考えが及ぶと、一気に思い出したのか慌てて体を起こそうとしたが、力が入らずに横になったままだった。
「動こうとしても無駄だぜ。悪いが、体の自由を奪わせて貰った。もちろん、アリスも使えない。」
玲生の声がじわりと頭の中を痺れさせる。
「うち・・・は・・・あん・・・たらの・・・仲間・・なんかに・・なら・・へんで。」
必死に頭を動かそうとしゃべるが、玲生の声はそれを許さないかのように広がる。
「あぁ、そんな事は分かっている。けどな、いくらお前が拒否しても従わせる方法なんて、山ほど有るんだ。」
「うちに・・・アリスは・・効かへんで。」
精一杯の抵抗をしても玲生の表情には変わりは見えず、ただ無表情な顔が蜜柑に向けられていた。
すると、玲生の後ろに高等部で見た“穴”が現れ、中から自分と大して年の変わらない少年が歩み寄ってきた。
「来たか。」
玲生が目を向けると、少年は小さく頷き蜜柑に近寄る。
「な・・・んや・・・」
「今からお前に暗示を掛ける。そうすれば、仲間に出来る。」
「なん・・・・やて・・・・」
「それと、邪魔な学園での記憶も消させて貰おうか。もし、学園の連中と戦う事があっても躊躇せず攻撃出来るようにな。」
玲生の声は冷たく痺れるように、全身を縛り付ける。抵抗も出来ず、拒否も出来きずに蜜柑は伸ばされた少年の手を、見つめていた。
「な・・・つめ・・・」
意識が途切れる前に呟かれた言葉は、記憶と共に闇へと沈んでいった・・・。
誰かに呼ばれた気がして、振り向くがそこには誰も居ない。不思議に思いながらも、自室に戻るため歩き出そうとした時、金色の髪の毛が見え動きを止めた。その人物は、自分を見つけると走る速度を速め、近づいてくる。
「どうした、流架。」
「よか・・・見つ・・・って・・・」
親友である流架は、走っていたため上がっている息を整えながら、苦しそうに声を絞り出す。
整え終わるのを見計らい、声を掛けた。
「何かあったのか?」
「ナルが呼んでる。佐倉が行方不明だって・・・。」
「は・・・・?」
流架の言っている意味が一瞬分からず、出て来た声
は間抜けていた。今、流架は何て言った?
「今井が帰ってこない佐倉を北の森に探しに行ったら、佐倉の生徒手帳と星階級のバッチが落ちてたって・・・。今先生達が探してるけど、全然見つからなくて。それで、棗を呼んで来いってナルが・・・。」
言葉が終わる前に、走っていた。
見つからないって・・・。行方不明だって・・・。
流架の声が頭の中で何度もリフレインする。何があった。最悪の展開ばかりが、頭をよぎる。職員室までの道がやけに遠く感じ、動かす度に重く感じる足に苛つく。蜜柑・・・・!!!
やっと見えてきた、ドアを勢いよく開けると中にいた教師が驚いた目で自分を見てくる。だが、構っている暇など無い。部屋全体を見渡し、目当ての人物を捜しす。追いついてきた流架が、何か言っていたがそれも耳に入らない。
「おい、どうゆう事だ!!」
奥の人だかりに居た鳴海と視線が合ったと同時に近づき、怒鳴るように問いただす。鳴海は、俯きながら首を横に振った。
「分からないんだ。・・・ただ、何者かが侵入した形跡が有った事は確かで、今神野先生達が捜査している。」
「侵入者・・・?」
後ろの監視カメラモニターに目を移すと、確かに神野が動き回っている姿が映っていた。それでも、焦りは収まらない。小さく舌打ちすると、鳴海が近づいて声を落とした。
「まだ確信は無いけど、その侵入者はZかもしれない。」
「なっ・・・・・!」
「確かな情報じゃないけど、玲生らしき人影が映っていたらしい。」
鳴海の言葉が頭を縛り付ける。
蜜柑・・・・・・!!!!!!
暫くその場から動けなかった。
君の無事を願うしか今は何も出来ない。
つづく
キャラがつかめません!!!
棗君、動かしづらいです・・・・。