二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 稲妻短編【時の流れ】 ( No.37 )
日時: 2010/12/11 13:19
名前: ルナ (ID: gyX.9WMH)
参照: http://www.youtube.com/

止まった時計

相変わらず静かな森・・いつもの事だけどうっすらきりが立ちこめていて森の木々達は天に向かい枝を高く伸ばしている—————光を遮るかのように薄暗く神秘的なのに生き物の音は一切しない・・聞こえるのは枝がこすれあう音と鳥の声・・相変わらず静かな森・・“忘れ去られている森”日の光が当たればだいぶ変わるだろうに・・
少し寒い森の中を進みながら少年はこう呟いた

「こんな所に暇つぶしで来るなんてな・・まぁいいか」

ガサッガサッ落ち葉をを踏みしめる音
通っていて気付いた・・道ができている枝も所々折れていて・・地面もでこぼこになっている
明らかに誰かが通った後・・いやなにかが
獣道なのか?と思いながら好奇心でその道を歩いてゆく・・どこまでいくんだろうか?だいぶ森の奥深くにきた・・木々も樹齢百年は越してあると思われる大木ばっかりだ・・それにさっき水の出ている岩場も見つけた
この森思った以上に深いな・・だんだん森に惹かれて行っている少年は周りの景色を見渡しながら歩いた・・少し先を歩くと開けた場所に来た・・こんなところあったのかと思い歩いていくとなにかが爪先にあたった・・内心ビックリしながら足元を見た・・動物ではない布の端・・人だ・・一瞬それを理解出来ないでいた・・我に帰るとそうだ・・人が倒れている!正気に戻った頭でその人の意識があるか確かめようとする・・やっぱり人だ・・俺より背が低くて痩せている・・昔の巫女が着ているような服・・青の少し長い髪・・少女だった
何でこんな所にいるんだ?と思いながらも少年はその少女に駆け寄った



頬に鈍い痛みが走って私は意識を取り戻した・・目を開けると赤い髪の男の子・・私と同じくらいの歳かな?・・まぁあの時のだけど今は一体何歳なんだろう?私が目を空けるとその少年はビックリした顔で私を見た・・好奇心で入った男の子か・・少年がはなしかけているのに私は反応せずただ聞き流していた私が反応したのは少年のこの言葉

「なんでこんな所にいるんだ?・・ここに住んでいるのか?」

「まぁね・・けがしてる」

「え・・?あ・・ほんとだいつのまに」

私は何年か前にやった事のある、人の怪我の治療をした・・やると少年はビックリしたように私を見た



「昔からここにいる・・ただそれだけ」

「そうか・・なぁお前の事聞かせてくれないか?名前は?」

何年も聞かれなかった問いを言われた・・まぁいいどうせなら話そうか・・すぅ・・と息を吸ってから言った

「私に名前はない当時の名は<リリア>そう呼ばれていた」

「私は・・今から何十年・・いや何百年前からずっとこの姿のままだ・・」

少年は衝撃を受けたらしく少しの間瞬きを繰り返していた・・多分恐れてから逃げるだろう・・そう思っていたはずなのに・・真逆の答えが返ってきた

「・・なんでだ?俺はこういうの興味があるから教えて欲しいけど?」

普通とは違う言葉・・いつも言われる言葉とは違う優しい言葉
私は全てを話した


昔私はある村の森の巫女だった・・ある日村で“ある物”が取れたそれは—————人魚
村の皆はこれは海の神から巫女に対する捧げものだそう考えて森の巫女である私の元へ持ってきた・・人魚のにくを食べた私は不老不死になって不思議な力を授かった・・だがそれから周りの限りある命の者達が死んでいった・・愛する家族も愛する人たちも全て・・とうとう私は一人孤独な存在となった・・

「不老不死って死なない事だろ?・・いいんじゃないか?」

「そうではない・・長い時間を生きていると心もなくなる・・それに色んな事・・悲しい出来事も全て体験してしまう・・限りある命だからこそその時間を楽しく生きられる・・一生いき続けることは<生きている意味>さえわからないくなる・・」

言ってみると悲しいものだ・・私は不老不死など望んでいなかったというのに・・様々なものを見てきた・・戦争・・災害そして時には悲しく時には憎らしく・・限りある命のものとしてみんなの元に行きたかった


「何年生きたかわからない。わたしなんて、もはや人間じゃないのかもね・・」

いうと涙か溢れ出た・・何百年も見てきた雨のように・・その少年はこういった・・何年もいや一度も言われた事のない言葉を

「お前は立派なにんげんだとおもうぜ?・・やさしいしさ!」

昔巫女で合った時に聞いた感謝の言葉よりも深みのある声・・私は人を助ける事が好きだったのだと
感情が止まった心の時計は少し動き始めた
心なんかなくなったと思っていたのに・・会ったのかな?それとも思い出させてくれたのかな?

その後少年は私にお礼を言って帰った・・少年は自分の置かれている立場<エイリア学園>それについてわたしにいったあとで

それから私はずっと行き続けた今石碑に書いているあの少年の言葉をそして自分の感謝の言葉を

        <ありがとう>

*止まった感情時計静かに時を刻んでる