二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 稲妻短編【時の流れ】リクスト ( No.56 )
日時: 2010/12/19 18:36
名前: ルナ (ID: gyX.9WMH)

時の流れ

——————カッ、カッ

          ボーン———・・・・・・

古い・・でも大きな振り子時計の鐘が・・鳴った
その少し重くて空気が少し震える鐘の音はむなしくただ部屋に木霊した・・その部屋には少女が一人いた
少女は、ただ悲しそうな顔をして何処かを見据えていた・・うつろな目で何処かを・・ただ何の感情も込められていない声で言った

「・・・・・・・・・また、鐘がなった」



どれくらいの時が経っただろうか・・・ずっとその部屋にとじこもっていると今がなん日で何時間なのか分からなかった・・まぁ良いかどうせこのまま時間が過ぎてあいつを忘れられればそれでいい・・好きだったあいつを・・本当は忘れられない事は分かってるけど、それでも忘れなければいけない・・悲しくて“何か”が頬を伝った
頬を流れたモノが涙だと気付く事とはもうなくなるだろう・・
あぁ・・最後に言いたかったのに・・でも終わった・・
今私がただ時の流れに未を任せているうちにもあいつは時の流れの一つ一つを楽しく生きているんだろう
羨ましくて、そして悲しかった
時だけが流れて行ってその間に大切なことは何も伝えられなくて————私は無力だ
無力な私に出来ることはもうない・・だったら
そして全てを忘れたらいい・・・そしてもう開くことはないであろう目を閉じた




また時計の鐘が、なった