二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 罪に塗れて。【ボカロです!】 ( No.19 )
日時: 2010/12/05 15:38
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

1-5「愛なんて」

あれから何時間たったのだろう。今は夕方の5時になっている。

「時間はいいの?」
携帯を扱いながら、レンとは目を合わせない。
「そっちは?」
私のその声に目を覚まし、質問に質問で返してくる。
「私は別に───」
と、メールをしながら素っ気ない返答を返す。すると、煩わしい事にレンは私の腰を抱き寄せた。

「じゃあ、まだ大丈夫……」
私の手から携帯を奪い取り、地面に投げ捨てる。
「許可はしていないけど?」
こういう勘違い男って本当に邪魔だわ。私が本当に貴方を心から愛していると?
その証拠は? 何を証拠に私から愛されていると勘違いしているの?

「あれ、そうだっけ?」
そうとぼけて唇を寄せてくる。私の銀色の髪に指をからませ、宝物を慈しむように大切に触れてくる。
「フフッ、困った人───」
今日は用事もないし、暇だから。彼の首に腕を回していかにも受け入れるように。

心ではどれだけ否定されている事か。それを知らずに愛されていると錯覚する男たち。
今まで何人いただろう。私への愛を叫び滅んでいった男たちが。

何度か唇を重ねていると、携帯電話が鳴りだす。私のものではなく、レンのもの。

「いいの───?」
よほど用があるのか、もう10回以上鳴り続けている。
「あ、ミクちゃんだ」
ディスプレイを確認してから、携帯を開く。

「───」
こういうとき、女は悲しいのかしら。私には解らないけど。