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第二章
　　　其の肆
　　　　　　苦情？

「うっさいなー、いるってーの!!」
ブチ切れ気味に姉さんが玄関にいる人に言う。
なおもばしばしと叩かれている。
「…公務執行妨害で四分の三殺しにしてくるわ。」
すたすたと、いや、どかどかと歩き、姉さんは玄関の扉を乱暴に開けた。
ガァン!!と凄い音がなると、次は、姉さんの怒鳴り声でもなく、依頼人のような人の声でもなく。
「…、お前、誰？何の用？」
という、姉さんのきょとんとした声であった。
すると、
「寺門通親衛隊隊長、志村新八です!!お通ちゃんが引退で、あの小娘がトップなんて、詐欺としか思えないんですよ!!」
という、少年の怒鳴り声。
「いやァ…俺等、アイドルでもタレントでも無いんで、分かんねぇっすけど…」
「なぁ〜、新八。やっぱやめろって。幕府の狗なんかに当たってもなんもないって。」
更に、気だるげな男の声。
その時。
「…!!!!銀!?」
ぴょこ、とアリスが立ち上がり、たたたたーっと可愛らしく走っていく。
「ぅお!?アリス!?」
「銀ーっ、なんかあったの？ねぇ、なんでダメガネと銀しかいないの？ね、神楽とか桜とか和月とか朱里とかはー？」
「……………。」
完全に放置の方向になった姉さんの肩に手を置き、言う。
「…お客を迎えてやることは、まず…」
「話すことですね」
そうやって言ったら、姉さんはうん、と行儀良く頷いた。