二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.727 )
- 日時: 2011/05/09 18:23
- 名前: 薔薇結晶 (ID: zdDXpDJz)
- 参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/
『眼〜eyes〜』
——W——
ギィン、ギィンと金属音がする。
とても鋭く、力強い金属音。
『ラヴァンイーザー』と『フェルゼント』のぶつかる音が。
「(さすが…、攻撃は鋭い)」
「(くっ、どんどん攻撃が重くなってきてる…!)」
「…やっぱりエドガーの方が優勢になるわよねぇ」
「貴女の相手は私っ!!」
サクラが遠距離で攻撃を仕掛ける。
だがジュリアは難なくそれを凍らせる。
「別に貴方の事を忘れてたわけじゃないわ。心配しなさんな」
そう言うと白のヴァイオリンを構える。
サクラはそれに反応して魔力を練る。
その行動を観たジュリアはニヤァと、恐ろしい笑みを浮かべた。
「≪ノイジー・カノン≫!!!」
中央街に雑音と狂音と轟音が響いた。
たまらずサクラとフィディオは耳を塞ぐ。
エドガーとジュリアは発動側なので一切影響はない。
「エドガー!叩き込みなさいっ!!」
「≪神聖剣舞≫!!」
耳が使えないこの状況で、眼を閉じていたら、死を意味すると言っても過言ではないだろう。
フィディオはどうにかこの状況に対応し、エドガーの≪神聖剣舞≫を捌いた。
だが、フィディオは此処で油断をするべきではなかった。
「≪薔薇の嵐(ローズ・タイフーン)≫!!」
エドガーの後ろに誰が居るかを、忘れてはいけなかった。
何時の間にか、耳の轟音は消え、ジュリアが眼の前に迫っていた。
ジュリアは短剣を構えてものすごいスピードで距離を詰めた。
「ジュリアが短剣…!?」
「あら、私が剣を使える事、知らなかったのね」
『ウィンディ・インジャー』。
≪天体観測≫の女主人、星夢に作ってもらったオーダーメイドの短剣だ。
しかもジュリアの短剣の腕をフィディオは知らない。
だがら、予測を立てる事が出来ない。
そしてジュリアは一瞬で魔法陣を展開し、2本の刀を取り出した。
「まぁ彼女までとはいかなくてもそこそこは出来るでしょう!!」
右に『如月』、左に『弥生』。
二刀流だった。
「なっ!?」
「覚悟っ!!」
「フィディオ!!」
「余所見は命とりですよ!!」
エドガーが眼の前まで来ていた。
サクラも刀を魔法陣から取り出した。
「フッ…『卯月』ですか」
「アンタに負けるほど弱くは無いよ!!」
金属音が響いている。
ずっと連続の音が。
「くっ…!」
「あら、顔色が悪くなってきたわよ?」
そしてまた武器を変える。
今度は『サニー・ブレイカー』。細長い槍だった。
「≪霰の乱舞≫!!」
「珍しいじゃない、その魔法を使うなんて」
だが、霰をすべて弾き返す。
「≪サーキュラー・ソード≫!!」
10本の剣がジュリアを襲う。
だが、動じないのがジュリアだ。
「その剣だってどうせ氷なんでしょ?」
そう言って『サニー・ブレイカー』を投げ捨てる。
投げ捨てた槍は魔法陣の中へと消えて行った。
そしてジュリアは両手にある物を生み出した。
それは黒い炎だった。
「えっ…!?」
「その様子じゃ知らなかったようね。まぁいいわ」
「≪地獄龍(アヴィスドラゴン)≫!!」
黒炎は氷の剣をすべて融かし、そのままフィディオを襲った。
「(何で…ジュリアが“獄炎”を…!?)」
「知らないなら教えてあげるわ。“獄炎”と右眼を交換したの」
「(交換!?…そうか、≪眼球交換≫!!)くっ…≪水ノ羽衣≫!!」
だが水で出来たそれは、黒い炎が蒸気へと変えた。
フィディオと≪地獄龍≫の間には何もない。
「…さようなら、“黄金の剣”」
「フィディオ———ッッ!!」
サクラの叫び声が聞こえる。
その時だった。
「アクア!!≪ウォーター・ブレス≫!!」