二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.729 )
- 日時: 2011/05/11 21:06
- 名前: 薔薇結晶 (ID: xxFx3C/2)
- 参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/
『眼〜eyes〜』
——Y——
ドゴォォォオオオォォォオォォオオ
「えっ…?」
サクラが振り返る。
煙が立ち上っている。
「今の爆発音、どちらでしょうね?」
と、エドガーが笑いながらサクラに問いかける。
確かに、煙に包まれている今、どちらが今の爆発音を起こしたのか分からない。
ましてや、彼らは戦闘を繰り広げていたのだから。
「ですが私はフィディオ達にはあんな爆発音を立てる事は出来ないと思いますよ」
「……」
一時休戦。
どちらがやられたか、どちらがやったか。それが分かるまで。
「ふふふふ…やっぱりね。≪女王の絶対旋律≫に貴方達が勝てるわけないわ」
そんな声がした。
視界がだんだんハッキリしてきた。
2人、男が倒れていた。
そして1体の【エンジェル・ウォリアー】もその近くに倒れていた。
少し離れた所で【ドラゴン・アクア】も。
立っているのは1人の女だけだった。
「そ、そんな…!!」
「くっくっく…まぁ、予想通りですね」
「さぁて…、フィディオの追放は貴女次第ね」
とジュリアがサクラに歩み寄る。
そして耳元で、
「死んではいないわ。ただ、貴女がエドガーに負けたら2人共、殺してあげる」
「!! ふざけないで!!人の命はそんな簡単に絶っていいものじゃないッ!!」
「熱くなりなさんな。エドガーに勝てないようじゃ…」
「私には永遠に勝てないわよ」
そう言うと蘭丸の横まで歩いていき、薔薇で椅子を創り、座る。
同じものをもう1つ創って蘭丸にも座らせる。
「さて、Msジュリアが見物席に着いた事ですし、始めましょうか」
エドガーはそう言うと、『フェルゼント』を持つ右手に魔力を貯め、聖剣に冷気を帯びさせた。
そして真横に振った。
すると霰の様な物がサクラに襲いかかった。
だがサクラも冷静に『卯月』で切り捨てる。
「≪フローラル・ウィング≫!!」
遠距離から魔法を発動し、さらに攻撃を重ねる。
「≪リーフ・ララディ≫!!」
だがエドガーとて魔法が使えない訳ではない。
魔法には魔法で対抗した。
「≪融解の噴水≫!!」
「うわ、アレ使うんだ…」
「まぁそれだけエドガーも本気って事よね」
≪青≫の蘭丸と≪蒼≫のジュリアが此処まで言う≪融解の噴水≫は、4〜5層目の魔族にとって、便利な魔法だ。
ジュッ
「!?」
「≪融解の噴水≫は究極の酸性の液体ですからね。触ったら…皮膚が融けますよ?」
と、笑いながら言うエドガー。
笑い事ではないのだが。
「…ぃ」
「?」
「私の桜はそんなものに負けたりしない!」
エドガーとジュリア、もちろん蘭丸も、サクラのPPスキルの存在を知らない。
“神桜”の存在を。
「≪霊魂樹・三途桜≫!!」
「私の周りに纏わりつく穢れの水を無に還せ!」
シャァア、と言う音と共に≪融解の噴水≫の水は酸性を失った。
「…便利な、スキルですね」
「“神桜”は貴方の“聖剣”を上回ってる!」
そして、その時からサクラの狂反撃が始まる。
「≪日光樹・太陽桜≫!!美しき光と共に彼の者の氷を奪い去れ!!」
「!!」
つまり、エドガーの≪氷≫が奪われる、≪水≫と“聖剣”しか残らない。
かなり不利な状況になった。
其処で、エドガーは走る。
桜を生み出している本人を狙えばいいと考えたのだろう。
だが、それは誤りだった。
「≪迷宮樹・迷い桜≫よ、彼の者を桜の迷宮へと誘え!!」
「エドガーは負けるわね」
「か、簡単に言いますね…」
「事実を述べたまでよ。…言わなくても、分かってるんでしょ?」
「…失礼ですが、そうです」
「…まずい、囲まれた」
「もう抜け出せない。いや、抜け出させないっ!!」
「≪断罪樹・血染桜≫よ、彼の者に…
————————粛清を」
ドサッ、と、何かが倒れる音がした。
紛れも無く、エドガーではあるのだが。
「蘭丸君、彼を4層目へ。治療をして頂戴」
「分かりました」
そして、蘭丸はエドガーを抱えて4層目に戻った。
「絶対にフィディオは追放させない」
「貴女次第だわ。私は手を抜くのが嫌いなの、全力で、殺す気で戦ってあげる」
「私はフィディオを守るためなら貴女を殺せる」
サクラの片手には『卯月』が握られていた。
ジュリアは魔法陣から『レイニー・ブラスター』と言う聖剣を取り出す。
「…≪拘束樹・縛り桜≫よ、彼の者を捕えなさいっ!!」
一瞬にして育ち、ジュリアを捕まえようとジュリアを枝で追う。
ジュリアは樹の周りを跳び回り、枝を絡ませる。
そのあとに、全て切断した。
「中々剣の腕もたつね…」
「剣士であるフィディオにも勝つ自信はあるわよ」
ドッと、大気が震える気がした。
ジュリアのトップスピードだった。
「容赦はしないわ、≪薔薇の嵐≫!」
ゴッッ、と、強い風が起こった。
そしてその中には刃と化した薔薇の花びら。
「≪ブロッサム・アロー≫!!」
桜の花びらが矢と化し、花びらをすべて射抜く。
射抜いた後に、ジュリアへと進行方向を変え、彼女を襲った。
だが、やはりジュリアは動じず、「甘い」と一言言って、全て切り落とす。
ギィンッ
「あと、貴女のスピードはそんな物なのかしら?」
「こんなものだと思ってるんだ?」
そしてまた、大気が震える。
ガキィンッ
「…遅くは無いでしょ」
「まぁまぁね」
2人の少女の戦いは、最終話へと続く。