二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.761 )
日時: 2011/07/07 21:15
名前: 薔薇結晶 (ID: bJXJ0uEo)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

『眼〜eyes〜』

——AE——




「拓人ーっ。…拓人〜ッ?」
「虹彩、あいつ居ねぇの?」
「…みたい。」

と、身を翻す虹彩。“弱点探し”のPPスキラーだ。
その後ろに居る紫の総髪の女は梓美。“操り人形(マリオネットダンサー)”のPPスキラーではあるが、あまり表に出る事が無いので、知名度はかなり低い。
だが、≪紅≫の実力者だ。

「まぁ2人共。あいつが行く場所は大体決まってるだろ」

と、2人に声をかけたのは蘭丸。≪青≫の容姿端麗な少年だ。
彼のPPスキルはこれまた特殊で“透視(パーフェクトシーイング)”と言う万能スキル。
心の中でも見透かせる、と言うある意味厄介なスキルだ。


「あ、お前ら」

と、やって来たのは≪赤≫の少年。
“指揮神(タクト・オブ・ゴッド)”のPPスキラー、拓人である。
何か紙袋を、両手で抱えている。

「何ソレ」
「いや、楽譜」

虹彩が聞く。1冊取り出して見せる拓人。
よく飽きないな、と若干呆れた表情で言う梓美。

「…って、お前も音楽無きゃ踊れないだろ」
「まぁ…そうだけどな」



「…で、何するんだ?」

と、楽譜を置いてきた拓人を見て、蘭丸が言う。
みんなの所行くのよ、と虹彩が返す。

「って言っても、何人居ると思ってんだ」
「何よアズ。別に全員とは言ってないじゃない」
「全員は行かないんだな」
「当然だろ。京介とか何処に居るか分からないし」

そうだな、とアズは返し、魔法陣を開いた。








来たのは10層目。≪黄≫の魔族の層だ。
眼の前にあるのは道場だ。

「…あぁ、あの人なら此処に居そうだな」
「≪特殊≫でもあの人は彼女と手合わせでもしてるでしょ」

どうやら、≪特殊≫の魔族の1人に会うようだ。
だが、彼女と手合わせ、と言うのはどう言う事だろうか。


「失礼しま……<<ドンッッ>>ッ!?……す」

拓人が道場の扉を開けるのと同時のタイミングで、物凄い衝撃音が鳴った。
どうやら、誰かが誰かを壁に突き飛ばし、飛ばされた誰かが壁に衝突したようだ。

良く見ると、飛ばしたのは紫の髪の男。飛ばされたのは水色の髪の女らしい。
男は、女を見下し、「まだやれるだろ?」と聞く。女も「やれるに決まってる」と、また立ち上がる。


「…怖」
「うん」
「同感」
「私も」

拓人、蘭丸、梓美、虹彩。
皆口をそろえてそう言った。

「はぁッ!!!」

と、女は一気に距離を詰めて、右の拳を突き出した。
男はそれを左手で弾き、女の体勢を崩そうとする。
だが、女はくるりと宙で回り、左手の手刀で男の鳩尾に一発。少し男の顔が歪む。

「…ってかあの人達と体術で渡り合える人って絶対少ないよな」
「逆に、居るの?」
「あたしは自信あるぜ。渡り合うだけ、ならな」
「勝つ自信は無いと」
「そ」




<<ダァアァァンッッ>>

「…まだまだだな」
「たいりゅ…体力に、差がある…」

噛んだ、と4人は思う。当然だ、噛んでいる。
さて、と男の方がくるりと4人の方を向く。

「何の様だ?お前ら」
「いや、例の話」
「あぁ…アレか」
「何、アレって」
「いや、お前は知らなくていい」
「何ソレムカつく」

そう言うと、「別に興味も無いけど」と言い、灰色の眼鏡をすちゃっとかける。
そして、軽く道着を着直し、

「道場使っていいよ、篤志君」
「お前に君付けされんの違和感あるな」
「態とだし」

そう言うと、道場の奥に消えて行った。



「…で、どうなんだ?」
「天馬以外は連絡が取れました」
「何であいつと取れねぇんだよ」
「いや、天馬は居る所が深いですから」
「まぁな」
「…玲子さん、どうなんですか?」
「力はまぁまぁついてきてるな。あとは体力だけだ」
「そう言う意味じゃなくて、」
「まさか…呼べってか?」
「はい」

それはまた今度だ、と立ち上がる。
何処か行くんですか?と拓人が言う。


「仕事あるからな。俺≪特殊≫だし」

と、苗字で言うなら南沢は魔法陣へと消えた。