二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】暑中見舞い受付中! ( No.784 )
日時: 2011/08/10 11:42
名前: 薔薇結晶 (ID: OcUNQWvQ)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

『眼〜eyes〜』

——AL——












12層目の病院。
≪知識の宝庫≫の南沢と輝羅がベッドの上に居た。
横で2人の話を聞いているのは神童、霧野、虹彩、梓美、そして≪知識の宝庫≫のメンバー数名。
その中にはカノンと火檻も居る。

「南沢さん、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」

手首を摩りながら南沢は答えた。
彼と、輝羅の手首には痣が出来ていた。

「そう言えば鎖で繋がれてたしな」
「アレは本来鎖じゃなかったんだ」

梓美の言葉に、南沢はこう答えた。
メンバーは頭に?を浮かべる。

「どういう事ですか?」
「…私達を監禁、拷問してた相手のスキルがとても奇妙なものだったの」
「PPスキル…、どんなスキルですか?」

霧野が問いかける。
すると2人はこう答えた。

「…、体を好きな材質に変えられるんだ」
「私達を縛ってた鎖も、元を言えばあの女の手だった…!」
「手…!?」

霧野は悩みこんだ顔になる。
知識に満ち溢れている≪青≫でも、このPPスキルは聞いた事が無いらしい。

「≪闇の図書館≫で調べてくれないか、カノン」
「分かった。多分深い所にあると思うけど…」
「ジュリアさんだったら1発で分かるんだろうけどな…」

確かに分かりそうだ。
カノンはそれを聞いて魔法陣を展開する。

「ジュリアなら、連絡先知ってる」
「えっ!?ジュリアさんは今≪蒼≫ではほぼ死亡状態になってるのに…!!」
「ジュリアが死亡状態?笑えるね」

そんな事ある訳無い、と嘲笑う様に吐き捨てるカノン。

[何かしら?カノン]
「ごめん、いきなり。PPスキルの名前を教えてほしいんだ」
[PPスキル?…特徴は?]
「自分の体を好きな材質に変えられるようなPPスキル」
[あぁ…それ≪転身(オウィディウス)≫ね]
「≪転身≫?…聞いた事無いな。保持者の名前とか知らない?」
[知ってるわよ]
「教えて?」
[いくらで?……、冗談よ。≪黄≫のエミリア]
「≪黄≫ッ!!」
「輝羅?」
「きっとそいつだ…!!≪黄≫と≪黒≫のオッドアイ!?」
[何よ、知ってるんじゃない。そうよ。エミリアは≪黄≫と≪黒≫のオッドアイ]
「苗字は?」
「…インシグニア…、みたい」

火檻が魔法陣を開いて呟いた。
カノンはありがとう、とだけ言って、魔法陣を閉じた。

「ジュリアさん生きてたんだ…良かった…」
「蘭丸、そんなにほっとする事?」
「あぁ。だって…あんな事があったし…」
「6層目のあの事件でしょ?」

とカノンが口を挟む。
霧野は頷く。

「あの後、サクラと一緒に≪薔薇桜≫って言う組織建てて暮らしてるよ」
「サクラさんと一緒に組織を…!?」

今度は虹彩が驚いた。
サクラは虹彩の師匠だ。驚いて当然と言えば当然。

「さて、そのエミリア・インシグニアを捕まえに行ってくる。火檻」
「ん」

2人はスッと立ち上がって、魔法陣の中に消えた。


「お前達も行っていいぞ」

と、南沢が読書を始める。
輝羅に至ってはすでに読み始めている。

「そこの彼女襲ったりすんなよ」
「先輩に向かって失礼だな、お前」

梓美の冗談をむっとした顔で返す。
その後4人も魔法陣に飛び込んだ。

「…良かったな、犯人分かって」
「私が今1番心配なのはカノンと火檻があいつを捕まえられるかどうか」
「……確かにそうだろうが、あいつらは強い。大丈夫だろ」