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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.115 )
- 日時: 2011/12/15 08:28
- 名前: 翡翠 (ID: 7yy7LYdx)
〜緤菜〜
「起きて、一体何があったの!?」
体に伝わる振動によって私はゆっくりと現実の世界へと引き戻された。
「ん……」
瞼を開けた先に映ったのは、表情の硬い風音さんの姿だった。
「よかった。貴女だけでも目覚めてくれて」
「……私……」
辺りを見回す。
日は落ち既に夜の闇が私達を覆っている中、私の周りには未だ気絶したままの紅蓮と青龍、それに、駆けつけてくれたらしい、風音と六合の姿があった。
その光景から、昌浩がさらわれたことと、麗菜が襲ってきたことが事実だということが嫌でも分かった。
「もう一度聞くわ。……一体此処で何があったの?」
通るようなだけど、凛とした声で問われる。
私は意を決して答えようとするけれど、それを無表情の六合が遮った。
「待て。此処で長話は得策じゃない……夜も深まってきた」
「言われてみると、確かに冷えてきたわね……あの二人の応急処置はしたとは言え、体を冷やすのは良くないわね。一度、聖域の中へ戻りましょう」
言い終えると、私の方へ手を貸してくれる。
……その好意を今は素直に受け取っておくことにした。
正直、不安やこれからの事を思うと心配なことや恐怖の方が大きい。
それでも、助けたい、また一緒に居たいと、そう思えるから。
だから、だから——絶対麗菜の元へ行くの
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