二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜12話更新 ( No.19 )
- 日時: 2011/08/03 23:27
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
13話〜私の家族〜
「ペインレター」
アキはナイフを二本投げた。この重力場にも関わらず
そのナイフは真っすぐシャーナへと飛んで行った。
「こんなの当たらないよ!!」
横に飛び、ナイフを交わすシャーナ。それを見てアキは薄く笑った。
「それは私からのラブレターです。受け取り拒否は・・・・・出来ませんよ!」
ナイフは軌道を変えシャーナへと向かっていく。
シャーナはそれを見て立ち止まると、手を前に構えた。
「サン!!」
シャーナの言葉と共にナイフがだんだん降下していって、
最終的にはシャーナの足元にめり込む形になった。
シャーナは一瞬得意げな表情を見せた。と、アキが後ろに手を回すと小さな鍵を取り出した。
それは後ろの高重力場に浮かんでいる鍵と酷似しているものだった。
「そっか。それがあるから平気なんだ」
「ええ。これはあそこに浮かんでいる物よりも劣化品ですが。
この場の重力に反発する力は持っています」
どうしてわざわざそれを見せたのか不思議がったが、それ以上に不思議に思っていることがあった。
「どうして笑ってるのか、気になるんだけど?」
アキが笑みを浮かべているのだ。アキはよく笑みを浮かべるが、今回のはやけに気味が悪い。
その笑みを一層強めたからアキは言った。
「それはあなたがあまりに油断してるからですよ」
「??」
アキの言葉にシャーナが更に怪訝そうな顔をすると、アキは視線を下にずらして言った。
「その程度の力で抑えた気になってることが、油断なのですよ」
「!!」
その瞬間、地面に埋まったはずのナイフがカタカタと揺れ始め、地面から抜け出ると
シャーナに向かって再び刃を向けた。
両方とも顔を掠めるだけで済んだが、シャーナは解せない表情を一層強めた。
自分はナイフに通常よりも百倍の重力を込めた。それはアキと話している最中も続けていた。
それでもナイフはいとも容易く浮き上がったのだ。
「解せない・・・・といった表情ですが・・・・・」
アキがシャーナの顔を見て言う。
「そう難しいことではありせんよ。これが私とあなたとの差です」
「うっそだ〜〜」
シャーナは冗談交じりの顔でそう言ったが、内心では相当追い込まれていた。
シャーナの長年の勘でこの男の方が強いと悟ってしまっていたのだ。
下にはシトたちがいる。逃げることは出来ない。
どうすればいいか。それを考えるのに思考が傾いた瞬間、アキはシャーナの傍に近寄り抱きついてきた。
「ちょっと!!離してよ!!」
シャーナは暴れるも男の力に勝てるわけもなく、魔法も鍵のせいで効かない。
アキが何を企んでいるかは分からないが、ピンチなのは直ぐに分かった。
「少し・・・私の魔法の説明をしましょうか」
「??」
「私の魔法は凶刃(デッド・エッジ)。私の周りに私が思う形のナイフを生みだし、操ることが出来る魔法です。
勿論、私自身が生み出したものですから、私には一切傷は付きません。
・・・・・・ですが、ああたはどうですかね?」
「・・・・・・!!」
アキが言ってることの意味が分からず少し考えて、ある一つの事が浮かんだ。
・・・・・そしてそれが現実となった。
アキとシャーナ。その二人を取り囲むように無数のナイフが出現した。大きさ、形は様々。
だが、その刃の狂気は全てアキに向いている。そしてアキのに口元が不気味に動いた。
「デス・ピーラー」
—キュイイィィィィィィィンン!!!!—
「ああああああああああ!!!!」
無数の刃に体を切り刻まれたシャーナ。その場に血だらけになり倒れこんでしまった。
その頭を踏み躙るアキ。それでもシャーナはピクリともしない。
「くくっ!最近ではフェアリーテイルはこの国一のギルドと噂されていますが、
私たちから見れば、屑当然のギルドですね」
—ピクン—
その言葉を聞いてシャーナの体がピクリと動いた。
「屑?・・・・・フェア・・・リ・・・テールが?」
「まだ意識があったのですね。そうですよ、屑!闇ギルドの中にはあなたたち程度のギルドは沢山います。
それなのに表舞台に立てるからと言って、逆上せ上がり調子に乗っているギルドなど屑ですよ!!」
「・・・・・・」
フェリーテイルを罵倒するアキにシャーナは黙ったまま。アキはさらに続けた。
「ふふ・・・・そうですね。先ほどはギルドの皆さんには記憶操作してなどといいましたが、
面倒ですからギルド全員を皆殺しにでもしましょうか。
評議院ではフェアリーテイルは問題視してますから、きっと喜ばれるでしょうね。
所詮は弱者の集まりのギルド。我々が押し込めばあっという間に・・・・・」
—バチン!!—
「!!」
アキが突然吹き飛ばされる。アキも何が起きたのか分からず、そのまま倒れ込む。
逆にシャーナは立ちあがっている。
「フェアリーテイルが・・・・・屑?
私の家族の皆を馬鹿にするなんて、君・・・・・・」
「!!」
シャーナは何時の間にかアキの目の前立っていた。
「覚悟出来てる?」
「っ!!」
シャーナに恐れを感じたアキ。それでもアキは立ちあがり距離を取ると叫んだ。
「そんなボロボロの体で私に勝てるとでも?ペインレター!!・・・ぐふ!!」
ナイフを生み出し、それをシャーナに飛ばそうとしたアキだが、何故だがそのナイフが
自分に向かって来た。幸い刃はこちらには向いていたなかったのだが、ダメージはそれなりにある。
何が起こったのか分からず、シャーナを見るとこちらに手を前にさし出していた。
「もう君はナイフを出すことは出来ないよ」
「・・・言いますね!」
アキはもう一度ナイフを出す。だが、またナイフが自分の方に向かってきた。
それを見て確信した。目の前の女が自分を中心に重力場を発生させてると。
それでナイフが自分の方に吸い寄せられていると。
「なら・・・・!!」
アキは魔力を解放する。すると、ナイフは動きを止める。笑みを浮かべシャーナの方を見る
アキだが、シャーナが開いていた手を閉じた事でその笑みを消した。いや、消された。
魔力を最大までしてでも、シャーナの魔法に押し負けてしまったのだ。
「私の家族を馬鹿にしたこと、死ぬほど後悔させて上げる」