二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜19話更新 ( No.31 )
- 日時: 2012/06/25 02:41
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
20話〜魅せる力〜
魔力の解放と共にサクラの出す花びらの色が、ピンクから金色へと変わっていく。
「あら、色も変えられるなんて芸達者なのね」
アミは余裕の表情を崩さないが、その花びらの変化が唯の変化じゃないことぐらいは分かっていた。
自分の意思とは関係なく、あの花に魅せられていきそうになる。
気を強く持っていないとあっと言う間に持って行かれそうだった。
「待ってなくても、いつでも攻撃してきてもいいよ」
「・・・・・なら、遠慮なく行かせてもらうわ!!」
再びサクラの周りの刃が出現する。しかも先ほどまでよりも数が多い。
アミもサクラの変化に本気を出した。それでもサクラはただじっと刃を見つめる。
「終わりよ」
刃が一斉にサクラに向かう。それにサクラは落ち着いた様子で呟いた。
「閃舞・万壊(せんぶ・まんかい)」
サクラの呟きと同時に花びらがサクラから一斉に溢れ出て、
全ての刃を包み込み、消し去った。
「な・・・・・・・!!」
アミは言葉を失った。
「とんでもないことだけど、今回はナツに助けられたかな。
中々やろうと思っても出来ないもんね。こんな無茶なこと」
溢れ出た花びらがアミの周りを巡回し出す。
それを見てアミは観念したように笑みを見せた。今の一瞬でアミはもう叶わないと悟ったのだ。
「勝負はここまでのようね。でも、剣士のプライドとして最後まで自ら負けは認めないわ。
だから、最後はあなたの最高の技で止めを刺されたいわね」
「・・・・・・その覚悟があるなら、私もそれに答えないと失礼だよね」
サクラが右手を前に突き出す。
「滅竜奥義・百花繚乱」
突き出した右手を強く握りしめると、アミの周りを巡回していた花びらが、全方位から
アミに向かって流れ出す。花びらに埋もれるアミはサクラを見て呟いた。
「本当、可愛らしいお嬢さんね。可愛過ぎて姉さん・・・・・嫉妬しちゃったわ」
—ドパァァァァァァァン!!!—
花びらがまるで波飛沫のように跳ねあがる。
魅せられていたアミにとってはとてもじゃないが生きてはいない状況だ。
だが・・・・・・
「死ぬ事はプライドを守る事とは違うぞ、アミ」
「リョーマ・・・・・・」
花吹雪が踊る中、リョーマがアミの前に立ち塞ぎそう言った。
不思議とアミもリョーマも無傷であった。
「己のプライドを守りたいのなら、この敗退を受け止め、更なら高みへと目指し進め」
「・・・・・・はい」
「・・・・・勝負はフェアリーテイル、サクラの勝利と処す」
「おおーーーーー!!やったなサクラ!!!」
「うん!」
勝利を宣言され、皆の所へ戻るサクラ。それでも視線はリョーマの方へと向いていた。
(私の本気を魅せても、あのリョーマって人心が動かされなかった・・・・・・・・)
「どうしたの?サクラ」
怪訝な思いが顔に出たのか、シトが尋ねてきた。それにサクラは笑顔で首を横に振ると
「麦丹(ばくたん)」
「・・・・・そう」
サクラの言葉にシトは頷く。
シトはサクラとチームを組むようになってから、少しは花言葉を覚えたのだ。
麦丹の花言葉は「何も無い」。
「さ!まずはワシらの一勝じゃ!!次も勝つぞ!!!」
サクラの勝利で活気の上がるフェアリーテイル。
「次は拙者の番だ」
向こうから出たのは如何にも侍!と言ったような風貌の男。
「おっしゃあぁぁぁあ!!!やっと俺の番だーーー!!」
「ナツーーー、頑張れ!!」
フェアリーテイルからはナツ。因みに二番手三番手はサクラが戦っている間にジャンケンで決めていた。
「それでは二回戦・・・・・・・始め!!」
リョーマの合図にナツは手から炎を出し、相手は腰に差した刀へと手を添える。
「先ずは礼を持って名乗ろうではないか、少年。拙者はサイゴウ」
「俺はフェアリーテイルのナツだ。焼け焦げになっても文句言うなよ!!」