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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 心霊探偵 八雲 ( No.47 )
- 日時: 2011/02/24 19:29
- 名前: 凪 (ID: M8vlMd6.)
〜7〜
和室の狭い部屋では、真琴と女性が机を間に向かい合わせに座ってい
た。真琴は自分のカバンから、はがきサイズのメモ帳とボールぺンを取
り出す。
「お名前は、中崎 美代子さんでよろしいですか?」
「ええ」
真琴の問いに対し、女性—中崎は笑顔で頷く。
「まず、最初にお聞きしたいのは—」
「真夜中、マンションに入っていった人の事ですよね」
「そ、そうですね…」
中崎に先の話を言われ、真琴は驚いた。—鋭い。中崎は驚いている真琴
の姿を見ると、口を開いた。
「私がパートの仕事から帰ってきて、玄関の前でため息をついた時でし
たね。なにかの音がする、と思ったら足音って分かったんで、辺りを見
回すとマンションに誰かが入っていったのを見たんです。…ここまで
は、追いついていますか?」
「…」
真琴は夢中でメモ帳に書いていく。中崎が気に掛けているのを気づかず
に。
「土方さん?」
「あ…はいっ!大丈夫です」
真琴は自分の名前を呼ばれ、顔を上げ、言った。
「こんな真夜中に、と思ったんですが、私と同じくパートか何かでこん
な時間に帰ってきたんだろうと思い気に掛けなかったんです」
「…確かに、私でもそう思いますね」
真琴は首を上下に振り、頷いた。
「でしょう?まさかこの後マンションが放火されるなんて思ってもいま
せんでしたけど…」
中崎の様子がだんだん暗くなっていく。それもそうだ。自分の家の近く
のマンションが炎に包まれていたのだから。
「あ…そうだわ…。思い出したわ!」
「!?」
真琴は驚いた。ついさっきまで暗かった人が急に叫ぶのは、なにか気付
いたのだろう。
「何か分かったんですか?」
真琴は中崎の様子を伺いながら中崎に声をかける。
「マンションに入っていった人よ!」
*
八雲達は次回登場!
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