二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 心霊探偵 八雲 ( No.50 )
日時: 2011/02/27 15:16
名前: 凪 (ID: M8vlMd6.)

〜8〜

放火にあったマンションの中では、八雲達の声が響いていた。

「それで、遺体は、どこにあるか分かるか?八雲」

後藤は、さっきの揉め事から立ち直り、八雲に話しかけた。

「ええ。一部の場所に集中してます」

「どこだ」

「エレべ—タ—です」

「…そうか。まだ探していませんでしたね」

後藤の後ろの方から男の声がした。石井だ。苦しそうに自分の左手を胸

に当てている。石井は後藤の隣に寄った。

「逃げ切れなかったのね…」

晴香が悲しそうに呟いた。マンションの近くを通る車の音がよく聞こえ

る。

「しかし、変ですよね」

「あ?」

石井の言葉に対し、後藤の鋭い視線が石井にとぶ。

「あ、いえ…」

それっきり、石井が黙り込んでしまった。

「石井さん。どうぞ言って下さい。いちいちクマの視線なんか気にしな

くていいです。それと、石井さんが言いたいことは僕と同じだと思いま

すし」

八雲は石井の方を向きながら言った。後藤の眉が少しピクッ、と動いた

のは気のせいだろうか。

「あ、はい。分かりました。八雲氏は、『ここでは、亡くなった人が複

数いる』といったことに対し、新たな証言では、『誰かが入っていった

のを見た』と言っているんです。もし、複数見たのなら、『何人か見

た』と言ってもおかしくないでしょう。矛盾しているんです」

石井の言ったことに対し、晴香と後藤は「ああ、そうか」と呟いた。

石井の言うことは、まちがってはいない。

「とにかく、遺体を探しにいきましょう」

八雲は背を向けて言った。もう本人は行く準備をしている。

「行くったって、どこだよ?」

後藤が言った。

八雲は機嫌悪そうに言った。

「さっき言ったでしょう。エレべ—タ—です」


▼あとがき

こんにちは♪
今回は八雲登場で、書くのも楽しかったです♪
それと、八雲と後藤のやり取りがいいッ!!
今回は晴香の登場が少ないようです…。
たぶん晴香は心の中で
「もっと出せッ!コノ野郎!」
と…言っているんでしょうね(笑)