二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 心霊探偵 八雲 〜つながる絆 ( No.65 )
日時: 2011/03/08 18:16
名前: 凪 (ID: M8vlMd6.)

〜12〜

「とりあえず、解剖してみるとするか。あと…身分証明じゃな」

畠は、頷きながら呟くと「おい、死体を運べ!」と他の監察医に叫ん

だ。すかさず、他の監察医は畠に言われたとおりにする。

「よくお前の指示に従うな」

後藤は死体が運ばれた後、畠の隣に来て嫌味風に言った。

「あたりまえじゃろうが」

畠は、二ヤリ、と笑うと後藤達に白衣の背を向けて去っていった。

—ん?何か忘れているような気がするが…。まあいいか。

後藤は、すっかり忘れている。“畠を宙づりにして火を点けてやる”と

誓ったことを。

「ああっ!」

急に晴香が叫んだ。後藤、石井は驚く。

—重要な事を聞いてなかった。

「君は静かでいることが出来ないのか」

八雲は、うるさそうに両耳に指を突っ込む。

そう言う事は晴香には分かっていたが、何かイラッと来る。

「どうせ出来ませんよ!」

「分かってるじゃないか」

八雲は上唇の端を少し上に上げ、言った。

「晴香ちゃん、どうしたんだ?」

後藤は晴香の方を向いて言った。

晴香は申し訳なさそうに「あぁ…はい」と言う。

「そういえば犯人って—」

「桜木 伸也」

八雲は興味なさそうに言う。

「ええっ!?いたの?」

それに比べて晴香は—

「驚きすぎだ。今朝見ただろう。あの新聞に載っていたぞ。君には眼が

—」

「どうせ、『君には眼がついていないのか』なんて言うつもりだったん

でしょ。見なかっただけですっ」

晴香は舌を「べぇ〜」と出しながら自慢げに言った。

八雲は、あ然としている。そのあと悔しそうに髪の毛をがりがりとかい

た。自分の言おうとしたことを他人に言われるとは。

一方、晴香は心の中で

—長く付き合っていたらこんなことくらい分かるわよ。それにしても、

新聞を良く見てなかったな…。

と、思ってたりもしていた。

「でも、本人は否定しているけどな。『自分はやっていない』ってな」

後藤は言った。その言葉に八雲は引っかかった。

「まだ否定しているんですか?マンション付近の足跡から出ています

し、目撃者もいるんですよ」

八雲は後藤の方をみて言った。

おいおい、そんな事私はいっさい知らないぞ。やっぱ新聞か。

「ああ。なんなら行ってみるか?聴取」

後藤は、流れで言ってみた。どうだ—。

「僕が拒否しても、何かと理由をつけて連れていくアホ刑事がよく言う」

八雲は後藤を睨みながら言った。

「ま、まあな」

よし。後藤は二ヤリ、と笑いながら言った。それにしてもアホ刑事、は

余計だ。

「後藤さん、気持ち悪いです。そんな顔をしてこっちを見ないでくださ

い」

それも余計だあァァァァァァ!!

このクソ化け猫がっ!ああ、こいつのせいで高血圧になって死にそう。

ああ、かわいそうな俺。

後藤は自分を慰める。すると誰かが階段をあがってくる音がした。

「あ、真琴さん!」

石井は声を上げた。他の三人の視線が階段を上ってきた真琴の向けられ

る。

「やっぱり!後藤さん達だったんですね」

真琴は息をきらしながらも嬉しそうに言う。

「やっぱり、てどういう事ですか」

晴香が不思議そうに言った。

「ああ、それは後で話します」



◆あとがき

やぁ!
真琴さん登場!
どんどん盛り上がっていくぞ!