二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】心と体のアンバランス2   ツバサクロとコラボ! ( No.390 )
日時: 2011/01/31 21:36
名前: ユキナ ◆jSzUFJdXHo (ID: 5FEzjtUd)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=BROeBw-TMTs&NR=1

〜短編〜


     *叶わぬ願いとあの日の約束*




これは、カノンがまだ『ライトルアーダ国』にいた頃のお話。




カノン、サクラ、ジュリアが四つ目の国、【水の都】を発見した日から一年が経過した。


              〜

俺たちが八歳になるころ・・。

季節は夏だった。


事は突然起こるものだよな。
そう、この日も・・・



「よし!今夜星を見に行こう!!」

と、カノンが突然言った。

「星?今夜?」

サクラが聞き返す。

「うん!今夜っ!みんなでだよ!!」

「でも、大丈夫かしら。最近よくない噂をたくさん聞くけど・・」
ジュリアの言うとおり、最近魔物が突然増えたと思われる。

実際、俺の国の兵が何人も傷だらけで倒れているのが目撃されていたりする。

「だからこそ行くんだよ。リリアのこと心配じゃん」

今、カノンが言ったリリアと言うのは、海底に沈んだ四つ目の国、【水の国】の姫である。
リリアが住むのは、海の中。
信じられないと思うけど、ずっと昔から【水の国】の住民は水の中でも息ができるとか・・

「・・確かにあそこが一番危険かもな。」

「え!?まさか、海の中にも魔物がでるの!?」

俺が言った言葉に反応したのか、サクラが言った。

「…海の中だからこそ‥。ってわけね」

「ご名答!!ね?だから今夜行こうよ!もし魔物が出ても、私たちが力合わせれば、こわくないっ」

「俺たちはいいが・・、ジュリアたち、親の許可とらなくていいのか?」
と、マーク。

「・・多分ダメって言われそう・・。どうしようか、カノン」
「そういう時は、・・」

「「「「そういう時は・・?」」」」

「抜け出しちゃえ☆」

「「「「・・・・・・・」」」」


「え?私、なんか悪いこと言った?」

十分悪いことだろ・・・。
抜け出すって・・、城だぞ?
そう簡単にいくわけ———

「だってジュリアとかサクラとか、・・これで何回目だっけ?」
「さぁ、私そんなの数えてないよ?」
「これだけは言えるわ。10回以上よ。」

「「はぁぁぁぁ!?」」

ちょっと待て、今・・10回以上って言わなかったか!?
それにあんたら国の姫だろ!?
城抜け出して何やってんだよ!!

俺とマークが驚いた顔をしていると、
「だって、ずっと城にいるのはつまらないじゃない。」
と、ジュリアが言った。

「つまらないって・・・・」

「じゃ、決定!夜、九時に私の国の裏門集合ねっ!」

カノンが言った後、俺たちは解散した。

「夜の九時・・。【光の国】の裏門集合。・・・か」
そう、つぶやいた。


        〜

九時ちょうど。
「みんなそろったね!!」
カノンがやけにハイテンションだった。
多分、リリアに会えるのがうれしいのだろう。

「最近会ってなかったら、元気にしてるかな?」
サクラによると、忙しくて最近リリアに会いに行けてなかったらしい。

「絶対元気だよ!」
その根拠はどこから来ているのか・・・・謎だ。

「出発しましょう。ここで話していたら、見つかるわよ?」
「それもそうだな。行こう」








だいぶ歩くと、月明かりに照らされた海が見えてきた。
大きな岩の上に、少女——リリアの姿もあった。

「リーリーアー!!久しぶりーっ!!」

カノンの声に気づいたのか、リリアはこっちを向いて笑顔になった。



リリアのもとに到着。
「久しぶりです。姫様たち」
「いつも言ってるじゃん。敬語じゃなくてもいいよ」
サクラが言った。

「いいんですよ、私はこっちの方が話しやすいですし」
「そう?ならいいけど」

「ここ付近では、魔物は出ないのかしら?」
「たまに出ますけど、見つからないとこに隠れているから大丈夫です」

「話変わるけど、みんなに問題!」
「「「「「問題/ですか?」」」」」
「今日は、何の日でしょうか?」

突然カノンが言い出した。
今日は何の日だ。と。

「これと言って、思い当たることはないけど・・」

・・・

「あーっ!わかった!!今日は——」
「私たちがリリアと出会った日。でしょう?」

「大正解!!さすがっ」

「ジュリア・・それ私のセリフ・・・」
「あら、いいじゃない。」

そうか、なるほど。
今日は俺たちがリリアに出会った日。
それを知っていたからカノンは意地でも行こうといったのか。


「だからね、あの日みたいにまたみんなで星が見たいなって。」


さっそく寝っころがって星を観察だ。
みたいなことを言った後、そのへんの岩の上に寝っころがった。


「えーと、あれがデネブで、・・」
「アルタイル発見!!」
「ベガもあるわよ」
「夏の大三角完成です」

「織姫と・・」
「彦星と・・」
「「天の川だ」」

「二人とも、みごとにハモったわね」


「あははっ、なんかあの時に似てるね。話の内容おんなじだし」
「あの時って?」
「あ〜、あの時は・・三人だったけ?」
「だからあの時ってなんだよ?」
「私とサクラとカノンでここまで探索に来た日よ」



としばらく話していた・・。


「ねぇ姫様?なにか歌ってくださらないでしょうか?」
「え、私?」
「いいねっ!私も聞きたい!!」
「久しぶりじゃないか?歌、聞くの」
「伴奏だったらするわよ?」
「決まりだな」

「カノン、何を歌うのかしら?」

するとカノンは、ジュリアの耳元でそっと何かを呟いた。

「ええ、いいわよ」

「じゃ、いきます・・・」

そういって、歌いだした。
「ジュリアのピアノ伴奏・・。すごい・・」
サクラが言う。


————ねえ 変わらないものは もう この世界にないかな
   ねえ 伝えたいことは もう この心にはないかな

   夜のふち 朝がむつ
   繰り返す日々————


「こんな時間が、ずっと続くといいのにね」
カノンが言った。


————ねえ あの約束さえ忘れてゆくのならば
   ねえ この歌声だけ君に届くようにと————


「どうして?」
サクラが問う。


————終わりから 始まりへ
   溢れ出す 涙から
   始まる 今日————


「ずっとね・・、みんなといたいんだ。ずっと、みんなと笑っていたい・・」
そういったときの顔は、なんとなく悲しそうだった。



————遠くへ 遠くへ 過ぎたときの影を知り光求め————


「じゃあ、みんなで約束しないか?」
「みんなで、・・ですか?」
「どういう約束するの?」


————遠くへ 遠くへ 消えないように陽炎掴みたい ねえ————



「こんなのはどうかしら」

ジュリアはマークに伝え、マークは俺に伝え、俺はサクラに伝え、サクラはカノンに伝え、最後に、カノンはリリアに伝えた。

「じゃあ、いっせーので。でいうよ?」


「いっせーのーで・・・・」

 
————交差する 交差する 光と影
   その先に    何がある————




『———どんなに時間がったても、私(俺)達は、私(俺)達のままでいよう———』








八歳の夏の日にした〝約束〟・・。

俺はいまでも覚えている。



でも、今ではもう・・・


〝叶わぬ願い〟となってしまったのかもしれない。





あぁ、もう一度・・・あの日に戻れたら・・・






———〝叶わぬ願いとあの日の約束〟———





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
はい・・。グダグダですね・・
オリキャラの作者のみなさん、ごめんなさい。

歌は参照からどうぞ。