二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第3弾!!どうぶつの森 ホヒンダ村だより —愛した分だけ— ( No.52 )
日時: 2011/03/03 23:29
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: yMcAY8PJ)
参照: http://ameblo.jp/short-inamori/

8話[ *—ミーシャの想い—* ]


ヒュウヒュウと風の音がなる。

もう午後11時30分。
私、ミーシャは関所の前にいた。

約束を破るわけにはいかない。
さよりんさんが、どうなるか分からない。

想像も、したくない……。


「ごめんなさい、さよりんさん」


私は、門を開けるように頼み、しろねこ村へ向かう。

知らないフリって、とても辛い。
知らなかった。

大切な誰かを、守りたいと思う気持ちも、
罪悪感も……知らなかった。


「あら、来てくださったのですね、でも少し早いです。

 乙女には準備があるんですよ?」


乙女、そのわりにはよくもまぁ、捕まえるだなんて言えるね。


「そうですね、私はここで待ってます」

「では、24時丁度に役場の前へ来てください」

「……はい」


殺されるかもしれない。

でも、不思議と怖くない。
誰かを守れるのなら、死だって……平気なのかな。

ただ、罪悪感だけが、残ってしまうけれど……。

時計が、24時をさす。
私は、素早く役場の前へ行く。
すると、目の前には白猫こと、サーシャがいた。


「ふふっ、さすが怪盗黒猫ですね?

 ですが、その名は今日までですから」

「……殺したいのならば、殺してください」

「……え?」


白猫は驚いたような顔になる。


「いいんです、別に……

 さよりんさんに、危害が加わらないのならば」

「ふふ、そうですか、では……貴方の人生はこれまでですね?」


白猫は、鋭い刃物を取り出したように見えた。

月光が反射して、キラキラと輝いている。
寒気がした。


「……っ、そんなこと、させないから!」

「————……え?」


振り向くと、息を切らしたさよりんさんが、
刃物を持った白猫を突き飛ばす。

そして、隣にいた男の子が、刃物をとる。

……どうして、ですか?


「何で……」

「やっぱりね、ここだと思った!

 一緒に逃げよう、コイツ、アンタを殺してもあたしを殺すと思うし!」


……分かって、いたんですね。

ごめんなさい、さよりんさん。
でも、やっぱり……


「できま、せん……、そんな、こと」

「な、何で?」

「ふふ、私は怪盗ですよ?

 もうお終いですよ、全て……」

「そんなこと、ない!

 ミーシャがこんなヤツに殺されるとこなんて、見たくもないし!」

「そうだよ、キミは殺されるために生まれてきたんじゃないよ!」


……温かい。

ホントは、助けてほしかったのかな。
こんな運命間違ってるって、言ってほしかったのかな。


「……チッ、今回は見逃してさしあげましょうっ……!」


白猫は捨て台詞を吐き、どこかへ消えた。


「……行こう、ミーシャ!」

「……はい!」


私たちはホヒンダ村へ戻った。

そして、コタロウさんに、私が黒猫であることを明かした。
でも、協力してくれた。


「これからヨロシクね、ミーシャ!」

「はい!」


深夜0時15分、私たちは新たな関係を築いた————……


8話★終

=====作者より=====

えっと、ミーシャSIDEです。
ちなみに、ブログのメッセージボードちょっと変えました。
よかったら見てください。

……僕って、必要なんですかね。
最近、ずっとそう思うんです。

存在を否定された気持ち。
ずっと、ずっと。
別に直接何かを言われたとかじゃないんです。
態度が……。

可笑しいですよね、何も言われてないのに、
存在を否定されるだなんて。

でも、僕はこの世に必要ないんじゃないか、そう思うんです。
存在価値がないんじゃないかって。

ごめんなさい、ここがこんなに長くなってしまって。
それでは。