二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第3弾!!どうぶつの森 ホヒンダ村だより —愛した分だけ— ( No.75 )
日時: 2011/03/05 19:54
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: yMcAY8PJ)
参照: http://ameblo.jp/short-inamori/

11話[ *—大好きって言えたなら—* ]


好き、大好きって、言えたなら。
楽なのかな。

でも、今のあたしには、そんな勇気ない。


「さよりん、次は何する?」


ただ、見てるだけ。
でも、それでもいい。

大好きだから……。


「そうだね、花植えないと!」

「じゃ、たぬきちの店に行こうか」


そう言って、あたしの手を握ったコタロウ。
体温が急上昇した気分。

好き、大好き……

ただ胸の中で繰り返される言葉。


「いらっしゃいだなも!

 今日は何の用だも?」


たぬきちがいつもの笑顔で迎え入れる。


「花の種を半額でくれ!」


そして、いつものように無理な要求をするあたし。


「半額はできないだなも!」

「ははは……」

「ちっ、じゃあとりあえず、花の種をおくれ」

「はいだなも」


たぬきちがたくさんの花の種を運んでくる。

これだけあれば平気かな?


「じゃあこれ全部!」

「毎度ありだなも!」


あたしは金を払い、たぬきちから花の種を受け取る。
そして、店を出た。

……のはいいが。
花の種がかなり重い。
そして、前に全然進めない。

すると、急に荷物の重みが減った気がした。


「持つよ、重いでしょ?」

「……っ! あ、りがとう……」


あたしの頬が赤くなる。

コタロウは優しい。
この優しさをあたしだけのものにしたい。
あの笑顔を独り占めしたい。

……なんて、わがままかな。


「じゃ、ここに植えよう!」


そこは、木も花もない、広い草原。
確かに、ここが一番寂しい。

あたし達は、花を植え始めた。


「ここ、薔薇畑にしよう!」

「じゃあ、こっちはパンジーでいい?」


そんな会話を続けてたら、1時間ほど経った。
すると、何もなかった草原が、見違えるようにキレイになった。


「じゃ、次は……」

「たぬきちの店の前あたりも寂しかった気がする」

「じゃ、そこに行こう!」


あたし達は駆け足で店の前までやってきた。

やはり、殆ど何もない状態だ。
一応木はあるが、どことなく寂しかった。


「よし、植えよう!」


コタロウは張り切っていっるような感じだった。
あたしも……頑張らなきゃ!

そんなこんなで、数時間が経ち、もう日は西側に傾いていた。
空もオレンジ色に染まっている。


「疲れた……」


あたしは頬を伝った汗を拭い、コタロウのほうを向く。


「こ、コタロウ……手伝ってくれて、ありがとう」

「さよりんといて、楽しかったからいいよ!」


あたしといて、楽しかった……?

その言葉に、期待……してもいいの?


「そ、そ……っか、あり、がと……」

「あ、えと、さ……」


コタロウがあさっての方を見る。

太陽の光があたっているからかどうかは分からないが、
コタロウの頬は少し赤みがかっていた。


「その、明日……オレの村に来ない?」

「へ……? い、いよ……?」

「そっか、じゃ、明日!」


コタロウは早歩きで帰っていった。

明日……楽しみだな!


11話☆終

=====作者より=====

意外に進むの早い……
何話までいくかな。

ミーシャとサーシャはまだ出ないです、多分……

明日はもう日曜日orz
サザエさんあたりで、一人憂鬱に((