二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: どうぶつの森 ホヒンダ村だより —囚われの花嫁— ( No.107 )
- 日時: 2011/07/28 20:16
- 名前: 緑木 花音 ◆XjkrQ1YXPY (ID: V2/o1KYD)
- 参照: http://ameblo.jp/short-inamori/
19話[ *—消えない傷跡(最終話)—* ]
あれから、何度泣いただろう。
何度、叫んだだろう。
もう、数え切れないよ。
こんな現実、見れるはずがなくて。
結局私は、自分で何も、できなくて。
「さよりんっ……何処なのっ……!!?」
さよりん、さよりん、さよりん……
ずっと私の脳内にさよりんがいた。
守りたかったのに。
私の手は、まだこんなにも小さかったんだ。
自分一人で解決できなくて……
大切な人さえ、守れなかったんだ。
「お願い、どうか無事でいて——————…………!」
疲れたからかどうかはわからないけれど、
私はその場で倒れ、深い眠りに落ちていったのだ——……
「……あ、れ」
目覚めると、朝日が輝き、私はこの間の場所に座っていた。
「……っ、今、何時……!!?」
時計を見てみると、5時35分を指していた。
でも、日にちは……あれから、3日後になっていた……
「……さよりん」
ゴメン、ゴメンね。
私が、無力だったから。
さよりんに、迷惑かけちゃって。
……でも、私は……まだ、信じる。
絶対に……生きてる。
さよりんが、死んでるはずない。
きっと、お父さんだって分かるはずだもん。
私とさよりんの違いくらい……
……信じてる、はずなのに。
私はどうしてもホヒンダ村へ行くことができなかった。
歩くことさえままならない私の足。
「お願い……さよりん、戻ってきて……
私ともう1度……、もう1度一緒に遊んでよっ……!」
お願い。
神様でも仏様でも、死神でもなんでもいい。
さよりんを、救って……よ!
「う、うぅっ……」
私はフラフラとした、危ない足取りで、
泣きながらホヒンダ村へ歩いていった……
「……ヴェルリア?
どうして戻ってこなかったの!!?」
「リッ……キー?」
私が村へ戻ったとたん、血相を変えたリッキーがやって来た。
戻ってこなかったって……何?
私がいない間に、何かあったの?
それに、さよりんは?
「ね、ねぇリッキー……さ、さよりんは?
さよりんは、何処?」
「……っ、知らないんだね」
「………………え?」
何、が?
さよりんに……何か、あったの?
それと、いないことと……関係、あるの?
「……さよりんは……何処かで、殺されちゃったんだよ」
私はショックで言葉が出なかった。
ううん、今でも、信じてる。
きっと村でのウワサは全部デマで、
さよりんは何処かで助かって、生き残ってるって……
信じて……る——————……!
「……っそ、そんなの、ウソ、でしょ?
さよりんが……殺された、なんて。
絶対何処かで……っ、生き残ってる……よっ……!」
私の言った言葉は震えていて、しかも私の目からは大粒の涙があふれた。
違う……絶対に違う。
さよりんは……っ、殺されて何かいないっ……!
「目を覚ましてよヴェルリアッ!!!!」
初めてリッキーの大声を聞いた気がした。
……目を、覚ます?
私は……普通、だよ?
さよりん、だって——————……
「……証拠、だよ」
リッキーは1通の手紙を差し出した。
それは、紛れもない父の字であった。
そこには父の字で、さよりんを殺した、といった内容が書かれていた。
……ウソ、だよね?
「……っ、う、うわぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!
さよりんっ、さよりんっっ、さよりんっっっ——————……!!!!!
イヤァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
村中に響く私の叫び。
イヤだ。
さよりん、お願い逝かないで。
私の元で……もう1度……っ、笑ってよぉっ……!
「……ゴメン、ね……さよりん……
私が……無力、だったから…………」
父に逆らうことのできなかった私を、
変えてくれてありがとう。
「……けどっ……私は、感謝してるっ……!
私の周りを……闇から光に変えてくれたことっ……!!!」
だけど……っ、
こんな代償……大きすぎるよ……!
「けど……っ……、それでもねっ……、死んで欲しくなんか、なかった……っ!
私のこと、いっぱい、いっぱい恨んでも構わないからっっっ……!
戻ってきてよ………………っっっっ!!!!!!
さよりぃぃぃぃぃぃぃんっっっっっ!!!!!」
——————ゴメン、ね……さよりん
*FIN*