二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: .それでも地球は廻る 魂魂×SPEC ( No.21 )
- 日時: 2011/04/07 06:16
- 名前: 如月葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
- 参照: 生きるって、戦うことでしょう
女の気味が悪いと思えるほどの笑い声。
土砂降りの雨に傘なんて差さないで。紺の裾から雫が滴り落ちる。髪も着物も海に浸かったような有様だった。時折道行く人は皆肩を竦め、汚い物でも見るような眼差しを向ける。足早に立ち去ろうとして目を背ける者も居る。
それでも女は笑っていた。じとりと暗く重い異様な空気を身に纏い、虚ろな視線を宙に向けて。可笑しいとしか思いようの無かった。休む間も与えず天から落ちる、冷たい雨。—酷く静な、言うなれば、其処には何も存在しないかのような。雷雨も雨音も荒んでいる。けれど、空を切り裂くような高い笑い声は鮮明だった。
そう、女はやはり何処か゛可笑しかった゛のだ。
***
ぺしり、と薄い紙を窓に叩いた。陽のひかりはその小さな向こう側を透き抜けはしない。黒縁に眩しく零れるのは赤い空だった。少し肌寒い。昼はあんなに暑かったのに。
「これで全部ですか?」
「ああ。」
「随分とまあ、派手にやったもんですね。」
手にしていたのは現場写真。病院に来て此処に通されたあと、私が警察に頼んだ。やはり無理だろうと踏んでいたのでが、頼んでみるもんだ。
赤、赤、赤。きっと、このカメラを覆い尽くすほどの量だったんだろう。
「ところで銀時さんはどうしたんですか。」
「知らねーよあんなバカ。」
「・・・腹減りました。もう銀時さんとかどうでも良いんでカツ丼くださーい。」
右手を挙げてふざけたように言う。病室の一角である此処は、騒ぎの後であるにしろとても静かだった。相変わらず警察の、なんだっけ。疋方?土芦?ひじき・・・違う違う、そうだ土方。は仏頂面で目の前に居る。見張られてるんだろう。
「言ってることが支離滅裂だぞ頭大丈夫か。お前どうせ警察だったら何処にでもカツ丼あると思ってんだろ。」
「えー、嘘ー、初めて知ったー!」
「何なのお前。」
「いやお前が何なのだから。警察の癖に喫煙するわ暴言吐くだわ。常識を弁えてください。」
「十分お前もだけどな。ってか、見終わったんなら早く帰れ!」
「なーに言ってるんすか。」
「はァ!?」
「まだまだ居る気ですよ。犯人見つかるまでは、ね。」
***
ほりゅ