二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: .それでも地球は廻る 魂魂×SPEC ( No.6 )
- 日時: 2011/02/27 18:01
- 名前: 如月葵 ◆iYEpEVPG4g (ID: 4uYyw8Dk)
とりあえず所在をお聞かせ願いませんか。と口にしたところで、何ならうちに来て見ると良いと言われた。何でも、万事屋といういわゆる何でも引き受ける事務所活動をしているそうだ。木刀やら白髪、いや銀髪やら天パやら、色々突っ込み所は多い。
薄暗い中で看板を見上げると墨でどでかく描かれた文字が目に飛び込んで来た。
「万事屋銀ちゃん。また何とも胡散臭い名前ですね。あれですか。ぼったくりで倒産商品を売りつけるとか言う噂の。」
と、紗綾。
「それは違う。つーかお前初対面の癖に痛い所突いてくんな。」
「自覚あるんじゃないですか。詐欺とは言い難いですけど思いっきりグレーゾーンですよ。」
手を広げて見せる。OKラインが此処までだとしたら、こっちがブラック、グレーのちょい下の辺りが万事屋の位置づけですと解説する。
「・・・・・・案外異世界っつっても価値観普通だな。あー衰えるー。」
紗綾が小声でそう不満を漏らすがが男の耳には聞こえていない様だった。階段を瀬文と銀時を追い越して一人小走りで駆け上がったあと、お邪魔しますと言う掛け声と共に勢いよく戸が開けられた。
「銀ちゃん、この人誰アルか?」
ぴし、そう音が聞こえそうな勢いで、赤いチャイナ服の少女に指を向けられる。紗綾は顔をひく付かせた。銀髪に何処と無く中国臭のする奴らやら、一体ここの連中はどんな世界観が繰り広げられているんだ。
銀ちゃん、そう称されているのはきっとあの男の事だろうと頷く。万事屋か、初対面でこんな対応とは仕事内容も知れているのではないかと予想を立てた所で、指されたままの手を掴んだ。
「こらチャイナ少女、人に指を向けない。」
紗綾が沿った人差し指を右の方に移動させる。そのまま並行に動いていく手を脇目で見ていると、奥の暖簾から誰かが顔を出した。
「銀さんなら今出てて居ませんよ・・・そういえば今日遅いですね。ジャンプ買いに良くとか言ってましたけど、何の用事ですか。」
第一印象は、普通の人。稀に見る典型的な日本人を代表したみたいな風格と道を行けば日に20回は聞こえてきそうな声だ。
(なんだ、案外一般的な人も居るじゃあないの。)
紗綾は酷く気が沈んだ。もし此処があんな世にも珍しい新しい人種みたいなのがうようよいるんだったら大歓迎だったのに、と肩を落とす。
「お客ですお客。そのジャンプ買った張本人がもうすぐ来るんでとりあえずお茶下さい。」
階段をゆっくりと登る2つの足音が大きくなってぴたりと止んだ。紗綾は少女に背を向けて後ろを振り返り、テーブルの向かい側に備え付けられていたソファに倒れる様にして腰を下ろした。
・・・・・・それにしても硬いソファだ。客人を迎えるに当たって、なっていない。