二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.149 )
- 日時: 2011/07/13 21:32
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
番外編 # Q.風邪を引いた様です。
「バカイトさん、バカは風邪ひかないってお母様が言ってました」
無表情で、カイトの頭にある氷をぐりぐりと動かして言う。生粋のキティラーである、猫村いろはと言う少女。
前髪はいつでもパッツンにしているはずのいろはは、暑いのかお馴染みキティちゃんの髪留めで前髪を纏めている。服装は胸元にキティちゃんの顔があるミニワンピース。ふとももがはだけているが、いつも一緒にいるお隣さんなので気にしないのだった。
「ほっとけ……」
弱弱しく青髪の青年、カイトが放った。と言うより、呟いたに近い声の小ささだった。
と言うよりなぜいろはが隣近所のこの家に来て、風邪をひいたカイトの看病をしているのかと言うと、メイコ率いるクリプトン家の皆さんは遊びに行っている。夏には必ず皆で行動するという時間がある。最早行事と言ってもいい。そんな日にカイトは風邪をひいてしまったのだ。なんとも不幸である。
そんなわけでクリプトン家は一泊二日でホテル行き。誰も家には居ない状態。
仕方がないのでお隣のAHS家の暇そうないろはに頼み、メイコ達は楽しそうに遊びに行った。
「カイトさん、風邪治ったらお礼にキティちゃんの何かください」
「看病しただけの恩を振り回すなよいろはちゃん……」
ドスッ。と。カイトの弱弱しい言葉の後に何か不吉な音が聞こえた——と思ったのは気のせいではなく紛れもない、猫村いろはがカイトの腹を踏んだ音だった。
「アイス食べ過ぎて私に迷惑かけてるおバカさんは果たしてどこの誰でしょうかねえ……」
「いろはちゃんいろはちゃん僕一応病人だから! キティちゃんの絆創膏なら買うから!」
カイトの腹を踏み潰したままで、顔も合わせずに不思議そうに首をかしげるいろは。髪の毛と同じ様に顔を青くさせて、とりあえずいろはを押さえようと何とか自分のお金で買える物を脳内詮索し放つカイト。
そんなカイトを見ていろはは静かに足を床に置いた。無音で。安心して溜息を吐くカイト。しかしそんな安堵も束の間。
「じゃあ、団扇と髪留めですね! 楽しみにしてます」
にっこりと屈託の無い笑顔で笑ういろはに、それを否定できないカイトがそこには居た。
——アイスの食べ過ぎには、気をつけるべきである。
(A.原因=アイスの食べ過ぎ)