二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.170 )
- 日時: 2011/07/29 23:39
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
そして何度だって「ありがとう」って言うんだ。
#04 君の感謝と可愛い笑顔
君の傍で僕は目が覚めた。なぜか気持ちが良くって、いつもより快眠だった。もうグッスリ。
「コイツ、僕より先に寝た癖に」
爆睡している彼女に僕は何だか笑ってしまった。呆れた様な。
いつか、僕が僕をやめる時まで、あと何度笑えるだろう。あと何度君と話せるだろう。あと何度君に「好き」と言えるだろうか。何度愛を伝えられるだろうか。恥ずかしくて言えないかなあ。でも、最低五回は言ってるといいなあ。
この理不尽な世界の中で、ただただゆっくりと暮らせる日々に感謝しよう。平和な場所に生まれた事を感謝しよう。ただここに居て君を愛せる事に感謝しよう。ただ——生きている事にありがとう。
君が生きている事にありがとう。僕が生きている事にありがとう。母さんが、父さんが、友達が、僕の知っている人がまだまだ居る事にありがとう、を贈りたい。
「ふああ……おはよ」
欠伸をしながら目を覚ましたのは言うまでもなく彼女だった。うーん、頭で思ってただけなのに何だか恥ずかしいなあ。
「あのさ」
「はい?」
片言の短い言葉で会話を交わす。きっと眠たいせいだな。うん。
その一言がなぜだか恥ずかしくて、鼓動が高鳴る。その想いが言葉になって君に伝える。重なる鼓動の音と言葉の音と、流れていく想い。言葉。
「えーと……ありがとう」
その場には何とも言えない空気が流れた。ほわほわしてる様な、キリキリしてる様な。どちらにせよ、恥ずかしい。彼女の方も僕の唐突な感謝の言葉に驚いている様で。
僕だってびっくり。全然違う言葉を言ってしまった。もう僕はヘタレで良い。この約束は君が知らなくてもいい事なんだってさ。
————君を愛し続けると約束しよう。心拍が、止まってしまうまで。
君に言う筈の言葉は、僕の胸の仲に留まったままで。それでも良い。そんなの僕が知ってれば守れるんだから。
「ははは、照れ屋な彼氏くんだなあ。その言葉忘れるなよ?」
「忘れねえよ。て言うかお前も言え」
恥ずかしいのに茶化して来やがったコイツ……! しかし僕はヘタレなので可愛い彼女が貶したってどうでも良かった。
「そうだねー」
その言葉の間を開けて、君は続ける。
「ありがとさん」
屈託の無い、天使の様な笑みで。僕は、ここに居られる事に本当に感謝だな。
笑いが込み上げて、僕は何だかふわふわな気持ちになった。
end / 心拍数#0822