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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.4 )
- 日時: 2011/03/10 17:32
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: j553wc0m)
とうとう何か分からなくなってきた。
#03 ぼくって、なに?
「蟻ってさ、どんなに高い所から落ちても死なないらしいよ」
いつか、友達が言っていた言葉。また、下を見る。車が沢山通るアスファルトと友達の言葉が、僕の思考を蝕んでいく。僕は蟻。だから——なんて言う意味不明な思考を残りの理性が何とかしてくれた。
ここから這いつくばって、訴えてもどうせどこかには届かない。雲のの上には届かない。仕事をしている僕より立派な大人には届かない。の前に、そもそも僕が誰かに訴えると言う風な感情を僕は少年時代においてけぼりでここまで来てしまった。穴から一線出れないから外界なんて今の僕にはあまり関係がない。
両親も社長も上司も総理大臣も人類皆平等だっていつか言ってたけどそんなもの、今聞いたら◯×□△。これは言い過ぎたかな。けどまあそんなの知る訳ねーだろって事だ。
今の僕は、何を信じればいいのだろう。僕だろうか、僕を信じてくれる誰かだろうか。
虚ろな目で空を見て、呟いてみる。
「僕は一体誰ですか」
揺らいだ心にそっと溶ける何か。何でも良いからあの日見た幸せな夢に連れてってよ。家族が居て、生活も充実している夢に。花畑でも良いけどね。川をジャバジャバ渡ったらきっと母さん達は泣くね。
意識が朦朧とした中で考えてみるけど、僕が連れて来られて見たのは幸せな夢でもなく花畑でもない、荒野だった。
誰かはそこに炎を灯して、僕に静かに微笑んだ。
「あいしてる」
誰かはヒトリで呟く。その刹那、目の前の荒野には大量の綺麗な花。それが世界なんだよと、世界はこんなに綺麗なんだよと諭す様にその花は咲いている。
そこで花畑は現実に戻った。
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