二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.62 )
日時: 2011/04/28 23:11
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)

番外編 # メルト


 「めーちゃーあん」

酒に酔ったかの様な千鳥足でカイトは、赤いジャージを着てせんべいを口にしながら新聞を見てる女性——メイコ、愛称めーちゃんを呼ぶ。

 「ん、どうしたのよ」

メイコは新聞から千鳥足のカイトに目を向けずにそのまま言った。
 カイトはその場で床とキスをした。大きい音が鳴り、メイコは驚きカイトを見つめる。
 気になったメイコはカイトに近付いて倒れたカイトを突く。すると、カイトはいきなりバタ足をさせた。

 「だああああ、メルト、とける、ルアー、アイス」

しりとりを言い出した。一つ理解不能な単語があるが、まあ適当に言った単語だろう。

「何一人でしりとりしてんのよ、で? 暑いんならマフラー取れば?」
 
 メイコが溜息を吐いてカイトに提案するが、カイトは聞く耳持たずでしりとりを終えた後は屍の様に停止していた。

 どうしようかしらね、と困った顔をしながら適当に歩いているメイコは困ってる様子など微塵も無い程にスピードを出してキッチンへと向かっていた。
 キッチンの冷蔵庫と向かい合わせになって、立ち止まる。しばらく無意識になって立ってると、カイトのだらけた声で元に戻った。
 メイコは冷蔵庫からアイスを二つ取り出し、そしてまた元の場所へ、ついでに言うとカイトの居る場所へ戻っていった。
 
 「バニラアイスだけど」
「なんだって!?」

先程までのだらけていた時間は何だったのかと言う疑問を持つ程のスピードでアイスを見る。その姿がメイコには犬に見えた様で、

 「待て?」

と言うと、犬の様に涎を垂らして待つカイト。コイツはプライド無いのかと思いつつ「食え」と言うと、わざわざアイスを持ち上げてさくっとすくい、食べた。
 
 「ほっぺた落ちそう」
「分かったから黙って食べなさい」