二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.66 )
- 日時: 2011/05/03 19:34
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)
こっち向かないのコイツ!?
#01 可愛い魔法を使わないで
今日は久しぶりのデート。デートが久しぶり、とは言っても普通に合えるからどうって事ない。バイトも同じもんにしたしね。
とりあえず可愛く見える様に化粧もしたし新しいオシャレもしてきた。これならキミも絶賛私も絶賛。美しすぎるわ私。
「リン! じゃ、行こうか」
キミは手を差し出して言ったけれど私はムカついた。
いやいやいやいやそれ以前に言う事あるでしょ普通。アンタには見えないのか、この努力の証が! 努力が見えなくても何にも言わないのか! いつもジャージルックな私がワンピース、純白のワンピースを着ているのに!?
何、そんなに可愛くないって事ですか? 私に魅力を感じないのか?
必死で考えても答えが見つかるはずもなく。
「え、ちょっ、リン」
「お前なんか踵落とししてやる!」
化粧もオシャレも無駄にさせたキミには成敗してもらおう。
倒れてしまった彼氏を見て、私は今更ながらヤバイ事に気がついた。あー、人前でやらなければ良かったや。
と反省しながらキミを引きずって帰った。ああもう女の子のプライドを傷つかれたのに私って優しい。そんな優越感。
「あー、ごめん。目ぇ覚めた?」
とりあえずキミに謝っておいた。
でもやっぱり異様にムカつくので踵落としした原因を伝えておこうと思った。
「て、言うかそもそも私のこの格好に気付かなかった? 今日軽く寝不足だよ?」
寝不足の原因はそのオシャレじゃないけれど。
「気付いてた、よ」
キミは小さく呟いた。ハァ? そんな事今更言われても嬉しくない。むしろ私が惨めにも思えてきたわ。
思い返せば何時でもキミは私の格好にも私にも触れずに……怒りで手が震える。
「いい加減にしてよ」
小さく、それでも怒りを込めて私は言った。
嗚呼、不満なの。ずっと不満なの。今も不満なの。私はキミの何なのか今日もまた悩む。
言葉にして、声に出して、君の本当の答えを聞かせて欲しい。
「リン、そのごめん……」
キミは困り顔で謝った。可愛いけれども、そんな魔法も続かない。可愛い魔法を使わないで、腹立つし怒りが消える。
嗚呼もうコイツ腹立つ。張り倒したい。
「調子に……乗るんじゃねぇわよ!」
ビンタしてキミに帰って貰った。