二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.70 )
日時: 2011/05/08 21:07
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)

 もう、言ったらこれだよ……。


#03 私に素敵な魔法を。


 前から思ってた。前から疑問が湧き出てた。
キミは私の事が嫌いなの? 嫌いならそう言ってよ。我慢して私に付き合ってるの? それならもう止めてよ。
 いつでも優しいキミが好きだから、本当の笑顔じゃないと嫌だよ。愛想笑いじゃ、嫌だよ。
 不安な気持ちが込み上げて来る。何だか、気持ちが抑えられなくて、ただただ目から零れ落ちる涙。
 嗚呼、不安だよ。とても不安だよ。私のコト好きなの……? そんな思いだけが頭を通りすぎる。
 目の前は霞んで見えにくいけど、君は黙って俯いている。バカ、こんな時ぐらい好きと言いなさいよ。私を甘えさせてよ。こんな時ぐらい、キツく強く、抱きしめてよ。
 キミは私だけの魔法使いなんだから。他の人には見えない、キミが私にかけたこの魔法を解かないでいて欲しい。ただ、キミが好きだから。
 
 嗚呼、それなのに! キミはさっきから俯いてるだけで! 不満沸き起こるのも当たり前っつーの!
 私が怒りに任せて足を動かしてキミの方に近付く。手を振り上げると、手を抑えられた。キミは急に私の顔に顔を近づけた。

 「え……?」

 イライラはどっかに行って、心臓はドキドキ。キミと私の二つの鼓動がギュッと一つ、同じ様に音を鳴らして交じり合う。

 「ごめん……じゃあ、結婚しよう!」
「お前はアホの子か! 調子に乗るんじゃねぇわよ!」

 こうして涙が吹っ切れた訳で私は顔を赤らめたのなんて、言うまでも無い。

 「じゃあ明日、デートしよう!」

可愛い魔法を使うキミの言葉に、私は笑顔で頷いた。


end / 鬼彼女