二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.79 )
- 日時: 2011/05/16 19:11
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)
「どうしたらいいの」
#03 それはアンタが選ぶ決定
翌日。今日の朝の新聞は別に女子高生が自殺した内容でも無ければその前に殺人が起こった事など書いてなかった。一面に載るかと思ったのだけれど。
それどころか昨日死にたいだなんて言葉を俯きながら話した彼女は友達と笑って話をしていた。人から嫌われてるって彼女が発言していた記憶があるのは単なる気のせいだろうか。ああイライラする。
「アンタさー。まだ生きてんだね」
休み時間に座って動かなかった彼女に声を掛けてみた。できるだけ気楽に。気楽に声を掛けた筈なのだが彼女は体をビクつかせた。
「何の事?」
「死にたいって言ってたのになぜ生きてんの? って事。昨日の出来事忘れるくらいの記憶力ならそりゃ死にたくなるわ」
ならないけれども。記憶無くても何とかできる気がするし。体が覚えてるって言うのもあるらしいし。根拠は無いけどね!
「それとも、今日皆に注目されたいの? 私も手伝おうか? 放送委員だから放送室で放送して呼びかけてもいいよ?」
「やめてよ」
私は親切じゃない親切を薦めると、彼女はそれを遮った。強く冷たく。なら最初っから言うんじゃないよ全く。
「死にたいんでしょ? 死んだらいーよ。窓からでも屋上からでも自傷してでも毒物飲み込んでも首絞めても。死にたいんなら死んでいーよ」
とりあえずイライラしたから言葉を放つ。すると彼女はまた泣きそうになる。泣くんならこんなセリフ言わせんなよ。
「じゃあ何、生きたいの?」
「違う」
「じゃあ死にたいの」
「違う」
私は泣き出しそうな彼女を見て、少し優しくなる。いや別に先生に怒られるとまずいと言う理由だけなんだけど。そこまで私優しくない。
生きたくもないし、死にたくもない、か。私もそうだよ。
「何がしたいか、自分でも分からない」
……私に聞かれても困るし。何がしたいか分からないのは私もだし。人間なんて大体そんなもんだしね。嫌な事があったらちょっと死にたいとも思うし、死ぬ寸前なんかの時は生きたいって思う。
「つべこべ言わずに、生きるか死ぬのか言っちゃってよ。別に理由とか他の言葉とか言わないでいい」