二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.7 )
- 日時: 2011/04/16 15:42
- 名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)
序章—壱 金ノ伝エ
『黄金の光が満ち溢れ 塔の上に虹色の羽を手にした信者現れし時 偉大なる鳳凰為る伝説の獣が舞い降りる』
そんな伝説を私は聞いたことが有る、昔お婆さんに聞いた話だ。
その『鳳凰』というポケモンはとても偉大なもので、昔から人間に拝められていたようだ。
だけどその姿を見たものは誰一人居ない。本当に伝説のポケモンなんて現れるのか確信はつかない。それを見つけようと城都(ジョウト)を旅する輩だっているがそいつらも全く見つけられずに消息を絶ったって話だ。
命懸けでポケモン捕まえようなんて話、私は気が乗らないよ。
そりゃあ、その鳳凰ってポケモンは凄く凛としてて、格好いいんだと思うけれど。
私の瞳は何故か生まれつき金色に輝いている。母は『とても素敵じゃない』と言うが私はちょっとしたコンプレックスだ。
他の子が陰で貶しているのを見てしまったから。
だけど鳳凰と同じ金色って何となく不思議、魂の伴侶?違うや。
でも、一目でいいから会いたい、という気持ちが有るのは何故か。それは私にも分からない、答えが出せない。
「……お腹空いた」
一人、私は少し伸びた赤ジャージを着て、ぼさぼさの髪の毛で言った。
……てか今何時なんだよ。
机に置いておいた置時計を見て、唖然とした。
針は丑三つ時を指していた、そう今は午前二時。草木も眠る丑三つ時とはこういう事か。
喉も乾いた。一階へ戻って美味しい水飲むか。
少女———……琴音は、むくりと起きて、のそのそと一階へ降りて行った。真っ暗で月明かり以外は無いので、転びそうになる。
ガコン、と冷蔵庫を開け美味しい水を取り出すとキャップを外して喉を潤した。
ラベルを見ながら『賞味期限昨日で切れてんじゃん、まいっか』と言いながらてくてく歩き衝動的にドアを開いた。
今日は晴れていて、星が空いっぱいに広がっていた。
「おぉ、ピッピ座じゃん! ラッキー! 今日何か良い事あんのかな!」
ピッピ座とはの城都での星座。見つけにくいため見つけるととても良い事が起きると、言い伝えられている。
他にもあるが、それは別の話。
すると空から、
『ショオォ——ッ!!!!!!!』
という鳴き声が聞こえた夜更けの事だった。
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