二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.29 )
- 日時: 2011/04/16 15:45
- 名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)
序章—参 水晶ノ輝キ
ピンポ—————————————ンッ
玄関のインターホンが鳴った。誰か来たのかな?
私は慌ただしく玄関を開けると、目の前には幼馴染の響が居た。
「あ、琴音ちゃん。今お邪魔してイイ?」
「うん! 響あがってあがって!」
響はマリルと一緒に私の家に遊びに来たようだ、手には一つの紙袋がある。
期待しても良いのか?
ずっと目線をそっちへ向けていると、響が気づいたようで、
「あ、コレ? さっき家でシュークリーム作ってきたんだ! 手ぶらで来るのは悪いと思って」
「・・・シュークリーム・・・! 響・・・なんという・・・」
乙女だ、完全に乙女と化している。
シュークリームとか・・・私焦げたクッキーしか作った事無いのに。
だけど腕がプロ並みだから持ってきてもらえると嬉しい、嬉しすぎる。
「ま、とりあえず私の部屋に行こう!」
「うん。マリル、戻って」
響は私の事を気遣ってポケモンを連れ歩いてる時はボールにしまってくれる。
昔からこのことを理解してくれてるから、ね。
とてとてと階段をのぼると、私の部屋へ入った。
勿論、部屋は散らかりまくりだが。
響はいそいそと下に敷かれていた座布団に座り、さっきのシュークリームを取り出した。
「・・・・ん、んまそ・・・・・!」
「ちょい待ち、琴音ちゃん。手洗った?」
「勿論☆ ぼんぐりソープで洗ったぜィ!」
「うん。 食べて良いよ!」
「やたああああああああ(感動」
あああああ……この味……!
生地はふわふわだし中身はカスタードクリームと生クリームだと!!???
そこらへんのスイーツより・・・美味い・・・!
響GJ!GJ!
「そ、そんなに美味しかった・・・?」
「うん美味しいよ響嫁に来なさい!」
「・・・いや、嫁じゃなくて婿で・・・」
そこツッコむ所・・・なのか?
まぁ響らしくて良いけど。
てか、何で響ウチの家に・・・?
「ね、響。何でウチに来たの?」
「あ、そういや言って無かったっけ。ごめん。……あのね、僕。城都で旅したいんだ!」
「・・・へ、え」
「んで、一目位あの『銀の竜』に会ってみたくて・・・そんな大それたこと僕が出来る訳無いけど・・・」
「『銀の竜』?」
銀の竜・・・鳳凰とは真逆っぽいな。名前からして。
そして、そいつに会ってみたい・・・と。
それ面白い、な。
「ね、私もそういう奴に会いたい! だから、旅・・・私もして良い?」
「ほ、本当? 琴音も! うん。琴音が居れば僕絶対行ける!」
「よしッ! じゃあ、研究所に一度行ってみない?」
「・・・うん。行こう!」
響の顔が、少し変わったような気がした。
あんなふにゃふにゃした笑顔とは違う、凛々しい顔。
本当に、本気なんだね。
そして旅は、始まる。
序章 —了—
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