二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.35 )
日時: 2011/04/16 15:47
名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)


一章 壱  緑色ノ風










どたどたどたどたっ!とけたたましい足音をたて、母の前に現れた金色の瞳の少女———琴音は、興奮した様子で話し始めた。


「お母さん! 私っ! この地方を旅したいのっ!」

「————・・・え?」


お母さんは仰天した様子で、手に持っていたクッキーをポロリと落とした。
そして、少し考えた後、落ち着いた声でこう言った。落としたクッキーを拾いながら。


「そうね、琴音も旅して見たくなる年頃だものね。琴音のお父さんもそうだったわ」

「お父さ、ん?」


私はお父さんの話をよく聞いた事が無かった。お母さんが辛そうにするから。
だけど、お父さんは居ない————————


「お父さんは、鳳凰に憧れていたの」

「鳳凰、に?」

「そう。『あんな偉大な奴は居ないっ!』って、琴音より小さい頃から旅しててね、私も一緒に付いてってた!」

「お母さんも!?」

「昔からの幼馴染でね、よく遊んだりしてたっけ? 私の記憶曖昧だから良く覚えてないけど——————この言葉は、覚えてた」














『        』



















結局、お父さんは鳳凰を見つけるべく旅に行って、行方不明になったらしい。
それ位、危険な挑戦だったって事。
お母さんは旅に行くことを許してくれた。『全力で行って来い!』って、お母さんらしい言葉。

思ったけど、この町は風が心地よい。風車があるからなのか、地形の問題なのか。分からないけどこの風は心地よい。




緑色の風————————————












その時、研究所の横の窓の影に居る赤毛の少年を見つけた。
・・・?誰。


「ねえ、誰あんた。研究所勝手に覗いて」

「・・・?」

「だーかーら、誰あんたって聞いてんの!」

「・・・お前には関係無い、じ、邪魔だ! どけ」


バンっと赤毛の少年に投げ出されて、イラッときた。
だけど、頭に残るねあの赤毛野郎。
上にツノまで生えてるし・・・!

だけど私は気にせずに研究所へと入った。あの宇津木博士に響と約束してるから。





「————では、行きますかっ!」






















『夢を叶えるまでは、うざいほど立ち向かうしか無い!』






この言葉を胸に入れて。














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