二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.40 )
- 日時: 2011/06/12 19:50
- 名前: 香兎 (ID: h9rhVioE)
- 参照: ↑トリップつけ忘れていました。すいません。
一章 弐 旅立チヘノ道筋
そして、琴音は研究所のドアを開いた。カランコロン、と音も響く。竹で出来た細工を施している様だ。
中には研究所らしく、よく分からない機械やゴポゴポという音も聞こえる。奥の方にはもう既に響が居た。そして正面には。
「あ、君が琴音ちゃん? 響君から話は聞いているよ、旅に出たいんだってね」
「はい! この、城都を……ポケモンを捕まえたり、もっともっと強くなって伝説のポケモンに会ってみたい! ……んです」
つい熱くなってしまった。あの『宇津木博士』相手に。
宇津木博士はポケモンの理論の中でも【進化論】が有名でこの城都のポケモンの進化を研究している第一人者。
ポケモンの数は計り知れない位種類多様だし、謎も多い。
だから、博士は進化を研究し続けて素晴らしい結果も出している。
そしたら、何か旅のヒントになる事を教えてくれるかもしれない。
「あのね、琴音ちゃん。僕達に博士、ポケモンをプレゼントしてくれるんだって!」
「……ま、じ? 本当!!????」
「本当だよ、今希少が高いポケモンを試験的に君達に預けようと思ってね」
すると、博士は研究所の奥の物置らしき所に入り、ゴソゴソとトラベルケースのようなものを取り出した。
ガチャ、と金具を外すとそこには赤と白が半々になっている丸いボールのようなものが入っていた。
それはまさしく、モンスターボールだった。
「これ、が……」
「僕、マリル持ってるけれど……ボールに入れた事無いから実物見るの初めてだよ……」
「そう、これがモンスターボール。どれか一個ずつあげるよ」
私は一つのボールを手に取ると、真ん中にあるボタンをぽちり、と押してみた。
すると、ボワンッ!と中から丸っこい、マグマラシが出てきた。
ヒノアラシはスリスリと足にすり寄ってきた。
「ぎゃふ! ぽ…ぽけ…もんが…! 博士! 私このヒノアラシにします!」
「それは良かった。この子はきっと慣れっこいんだろうね。……響君は、どうするのかい?」
「うーん……僕は……この、マリルで良いです!」
「え?」
「僕の、マリルと旅します」
響はどのポケモンも選ばず、自分のマリルを選んだ。
多分今マリルが居たら、きっと泣いているだろう。
博士は溜め息をついた後、そっと一つのボールを取り出し。
「響君。君のマリルはボールに入れた事が無い、と言っていたね」
「あ、はい!」
「旅する時にボールは必要だと思うから、マリルをこのボールに入れてみたら……どうかな?」
「……そうですね。ありがとうございます!」
響はとても嬉しそうにボールを手に取り、大事そうに持っていた。
旅、楽しくなりそうだな。
私はそう思いながら、旅立ちの日を待ちわびていた。
.