二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.48 )
日時: 2011/04/16 15:50
名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)
参照: 余震カンバックしなくてよろしい。



一章 参  赤イ棘
















——————そして、旅立ちの日。

私は体にフィットするバッグを持ち、帽子を被って鏡の前に立った。
帽子には大きな赤いリボンも付いていて可愛い。お母さんのお手製の帽子だ。
本当に、旅立ちの日なんだ。
テーブルに置いたモンスターボールを腰に付けたケースに入れた。
そして一階に降り、お母さんの所へ行った。お母さんはいつものようにテレビを見ている様だ。


「お母さん! ……そろそろ、時間」

「……そうだったわね……そうそう、これ持って行きなさい!」

「これ、は……?」


最新式のトレーナーなら誰でも持っている『ポケモンギア』通称ポケギアだった。
ピカピカで新品だという事がすぐに分かる。


「これを持って、たまには電話してきなさいよ?」

「うん! ありがとうお母さん!」


ポケギアをぎゅっと握って私は外へ出た。
何故か自然に笑みがこぼれ、とても心の中でワクワクしだした。
よし!頑張ろう!




「琴音ちゃん! 助けて……ぇ……」

「ひ、響!? どしたん!」

「響! 考え直せよ! 響をこの世界に無防備のまま出すなんてこと俺出来ない……」

「うー! 金兄さん! 離してよぅ……」


金さんは響のお兄さん。
ブラコン度がどんどん酷くなっていくらしい……
とりあえずうざい人物だ。


「金さん、親の了解は済んでいるはずです。……という訳で、五花拳……仏骨投!」

「グハぁっ!!!!」

「琴音ちゃん強い!」

「少林寺拳法五段だからね……」

「ごだん!」


私は小さい頃から少林寺拳法を習っていて、結構前に五段を習得しています。
そこら辺の大人だったら投げ飛ばせる位だけどね。 


「……金さん、御愁傷様です」

「金兄さん! じゃあね!」

「………」


とりあえずポケモンも居るし、響も行けるし!
見上げると空はとても青くて、旅の日にはもってこいだなと呟いた。
しかしその時————————



ガチャンッ!



と、ガラスの割れる音が響いた。
その音は研究所からだった。中から大声で叫んでいる人達が居る。
————すると、研究所の横から赤い、赤い……

人影が。


とりあえず、現場へ急行!
私と響は走って研究所へ向かった。中は大騒ぎになっている様だ。
周りにはガラスが散らばっていて、それを避けながら進んだ。

そして、近くに赤い人が居た。
髪の毛は赤く、長い。頭の上にぴょこんとツノのようにクセがついている。
服は全身黒ずくめで明らかに怪しい。
しかも一度会った奴じゃん!


「あんた! 何で此処に居るの!? 手に持っているのは何!?」

「煩い、お前には関係無いだろう。邪魔だ」

「関係無くない! あんた前もここに居たでしょ!!」

「ッ!!—————————……」








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