二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.55 )
日時: 2011/04/16 15:41
名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)







一章 四  風騒ギ













「—————————さあ、白状して! この赤ツンデレ!」

「お前……酷い言い様だな……しかし、お前には言う必要など無い。ゴルバット、空を飛ぶ!」

「ひゃああああ! うはっ飛行ポケモンまじ無理」


バサッ、と大きな音と砂煙をたててあの少年はポケモンに乗って飛んだ。ポケモン持ちなんて……彼奴トレーナー?
研究所からガラス破って飛び出して来たり、ポケモン盗んでたり。何なのだろうか。ガラス破るのはとても普通の人間には出来ないだろう。きっと鍛えられたのだろうか。
しかし、上から何かが落ちてきた。四角いカードのようなものだ。一見、クレジットカードのように見えるそれは、まさしく。


「トレーナーカード……彼奴、本当にトレーナーだったのか……」

「琴音ちゃん! トレーナーカードだったら名前、書いてある筈だよ」

「そっか!」


そしてカードの上からすーっと流して見ていると、一つの名前があった。


「……トレーナー№09*****。かな、で? ……奏」

「あの人、奏って言うんだね……良い名前」


こんな大切なカードを落とすなんて彼奴はドジとしか思えない。ていうか意外のような気がする。
彼奴は前々から研究所を覗いたり、この町をうろついてたり。不審な行動ばかりしていた。そして今回は、ポケモンを盗んだ。
年齢は私達と同じ位だろう、きっと。


「うーん……前々から居たとするとそんな軽い気持ちで盗んだ、って訳じゃないと思うけどなあ……」

「琴音ちゃあああぁぁぁあん! ぽ、ポケモンがぁああ……(泣」

「宇津木博士……顔拭いてください……分かってます。さっきここに居ました。名前も分かりますから」

「博士、琴音ちゃんが強く言ってたから! とりあえず、警察に通報した方が良いと思うよ」

「わわわ……分かった……」


博士はきっと博士として本当にギリギリの顔をしていると思う。涙と汗と鼻水が全て出てきて区別がつかなくなっている。本当、汚いです博士。
ポケモン盗難事件はとても重大な事件だ。ポケモンが十代の少年の手によって盗まれるなんて、今までの例を覆す。


「でも、あの『奏』って人。とっても綺麗な銀色の瞳をしていたよ、琴音ちゃん」

「—————そうだね、銀色だった」


そうだ、あまりよく見ていなかったけど彼奴の瞳は綺麗な銀色だった。
まるで、伝説の銀の竜のようで———————







「ぐわああああ! だけどゴルバットに負けてしまった!」

「……仕方ないよ、琴音ちゃんすこーしポケモン苦手だしね」






あの人は、誰なんだろうか?


















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