二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】 ( No.112 )
- 日時: 2011/05/01 18:56
- 名前: さくら (ID: xPB60wBu)
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≪あら・・・?もう目が覚めたかしら?・・・と、言っても実際にはまだ夢の中なんですけどね、≫
『っ・・・、黒姫ッ・・・!?』
≪そんなに驚かなくても良いじゃない≫
私が、夢の中で目を覚ますと、目の前には黒姫が居た。
やっぱり、まるで同一人物であるかのように、容姿が全く同じ。
≪ったく、この容姿は貴女の物。私は最初から貴女と同じじゃ無いわよ。只、こっちの方が貴女の中に居る時は都合が良いだけ≫
すると黒姫は“私にだって自分の姿があるわよ”と付けたした。
って、そんな事言い合っている場合ではない。私はあの時頭に激痛が走り、倒れたのだ。目の前には黒い車が止まっていて、誰かの声が聞こえた。
≪あ、あの痛みは、私が出した物よ。≫
『え、何でそんな事・・・、』
≪そうでもしなきゃ、貴女、攫われてくれなかったでしょ。≫
『攫われてって、黒姫はこの事とは一切関係n≪あるわ。私にとっても、都合の良い事だもの≫
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意識がはっきりしていく。黒姫は“時間”というものを感じて私の目の前から消えていった。
何とも超次元なのだが、本当の話なのだ。黒姫のやる事は、超次元さえも越していると言っても過言では無い。
目も開けるようになり、目を開いて辺りを見回すと、真っ黒い部屋に私は居た。目の前には大きなディスプレイ。
『・・・誰。』
その瞬間、私の居るこの部屋に入って来た、男性。金髪にサングラスを掛けた男性だった。
そして、私は両手を縛られている事に気が付いた。最初は抵抗するとでも悟ったのか、かなりキツく縛られている。
「ミスターKとでも名乗っておこう。お前とは昔にもかなり因縁のある人物だがな。」
『・・・ねぇ、二つ言っても?』
「何だ。」
『まず一つ目。私は今更抵抗なんて事はしない。この縄を外して。』
するとミスターKは少し間を開けてから、私の縄を解いた。
『そして二つ目。貴方まさか・・・。———影山、』
私の縄を解いているミスターKに言うと、ミスターKは縄を解く手を一度止めた。
そしてフッ、と鼻で笑い、少し笑みを浮かべながら私に言った。
「・・・それを知ってどうする。お前が何かを得するとは思えんが。」
『いや、ちょっと確認したかっただけ。でも、影山、貴方は“真・帝国学園”の時、海に落ちて海の藻屑となったんじゃ・・・、』
「つまらん妄想はするな。それと今はミスターKと呼んで貰いたい。」
“いや、妄想じゃないから!”と頭の中でツッコミを入れながらも続けてミスターKに言う。
『・・・何が目的・・・?何を企んでいる、』
「フフッ、例えば。お前の頭の中に何が浮かぶ。」
『———・・・日本、代表、』
するとミスターKは既に解き終って手に持っていた縄を投げ捨て、高笑いをしながら私に背を向ける。
そしてディスプレイの電源を入れると振り返った。
「良い線は、行っている。そうだ。私の最終目的は“それ”だ。私は日本代表を破壊する。」
「だが。外れている部分もある。私が最初に狙うのは、日本代表ではない。———イタリア代表だ。」
『ッ!?———何で、』
「あぁ、イタリア代表にはお前の大事な男が居たか。何故、だと?イタリア代表は、優勝候補。いや、トーナメント戦までは行くだろう。そうだとするならば、利用するには最適だと思わないか?」
“サクラ、”と不敵な笑みを浮かべながら私の名前を口にする。
イタリア代表、利用、最適。フィディオ達を何だと思っているんだ。この人は。
『、フィディオ達を、道具にする気・・・?』
「使うのは、彼らではない。彼らは、代表の座から引き摺り下ろす」
『え、』