二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】チームK戦突入 ( No.203 )
日時: 2011/06/05 15:23
名前: さくら (ID: j9SZVVec)
参照: 短編・拓人 

小さい頃からアイツは泣き虫で、意気地なしで、ずっと私の後ろで泣いていた。

あの頃は、私とアイツは同じ年で所謂幼馴染っていう関係だったが、アイツの性格からか(多分私の性格もあると思うが)、私達は姉弟の様だった。幼馴染とだけあって、家は隣で神童財閥と七瀬財閥の大豪邸が横に並ぶという、一見異様な景色だったが、お互い財閥仲も良く、いつも一緒に居るわけだから、姉弟に見られてもいた。因みに言うと、私達の将来はもう親達の意見で決まり、私はアイツの許嫁でもある。

幼い頃は、あんなだったアイツ・・・。拓人が、何で、こうにまで逞しくなったのだろうか。私の後ろに居た拓人は、何時の間にか常に私の前に立っていた。


あ、いや。泣き虫なのは変わりなかったが。


だが、名門中のサッカー部キャプテンにまで上り詰めた拓人に、私からは猛大な拍手を贈りたい気分になった時もあった。



『拓人、何か変わった。』

「・・・はぁ?行き成り何」

『いや。昔はあんなに泣き虫で、意気地なしで、背も小さくて、頼り甲斐が無くて、もう本当にちょっとした事でピェーピェー泣いてたのに、』

「何だ。喧嘩売ってんのか。」

『違うわよ。話を最後まで聞きなさい。・・・だから、ん。・・・あーもう!!何でも無いわよ!!』

「ちょ。何だよ。最後まで聞けって行ったの虹彩だろ」

『だから変わったって言ってんの!』

「意味分からないだろ!?最後まで言え!」

『だーから!!私より背も高くなったし、キャプテンになって、頼り甲斐もあるし、そりゃまあ泣き虫なんだけど、逞しくなって、何故だかは知らないけど、最近ずっと、







                  —————————アンタが頭から離れ無いって言ってるのよ!!!』




「———・・・え。」

『・・・え?・・・・・・・・・・・・・・あ、いや。違う。そうじゃなくて、その、』



一人真っ赤になった私に、ポカンと唖然と口を開けていた拓人は、私の髪をわしゃわしゃと掻き回して、拓人もほんのりと頬を赤くして、維持悪い笑みを浮かべていた。





その後、私が勢いに身体を任せ、拓人に飛びついたのは、言うまでもない。


***
え。何。まじで何なの。
幼馴染ですよー。
お二人さん。
ってか大豪邸が真横にドーンと並ぶって、庶民から見てどうなの。