二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】チームK戦突入 ( No.225 )
- 日時: 2011/07/13 22:31
- 名前: さくら (ID: as61U3WB)
- 参照: 最近良く「鬼畜」「SM」「カッターナイフ」という言葉に以上に反応する
「———、———・・・クラッ!!」
だんだんと意識が戻っていく中、私を呼ぶ誰かの声。
「サクラッ!!!」
フィディオだ。
まだぼんやりする、重い身体を立ち上がらせながら、自分なりの精一杯の笑顔を贈る。
ちゃんと笑えただろうかだとかどーのこーのは、この際一切気にしない。
『フィディオ、ごめんね、』
「本当、吃驚したよ。行き成り蹲るし、」
他にも何か言いたげなフィディオだったが、試合が再開される。
一点、先に取られたウチのチーム。
前半戦が終わり、今から後半戦が開始される。
後半も、先ほどと同じ、まだ何処かぎこちなくプレーをする鬼道。
そのお陰でフィディオにパスを出すが、間に合わない。だがそれを見事にカバーする不動。
「中盤は俺が仕切る!後に続け!」
そう言い走る不動だったが、周りが動かない。動揺していた。
「いきなり司令塔が変わってもプレーヤーは混乱するだけだ!」
デモーニオが叫ぶ。
だがそれは正論でもあった。
今まではフィディオ、鬼道が中盤を仕切っていた。その指示に従って走るチームメイト。行き成りその中盤が他の誰かに変わったら、プレーヤーは動揺するだけ。その動揺の隙間に上手く入られ、流れを相手チームに変えられてしまったら。
こういうほんの一瞬が命取りなのだ。
“ゲームメイクも2流品だな”。デモーニオが見下すように笑う。
いっきに流れに乗ったデモーニオが、オルフェウス陣内へと切り込む。が、その前にフィディオが立ち塞がる。
「これ以上は行かせない!」
「…俺はお前に憧れていたよ、イタリアの白い流星…フィディオ・アルデナ」
「なに!?」
「だが今は違う。俺達には力がある。世界と戦える力が!」
これはヤバい。デモーニオはまた“皇帝ペンギンX"を打つつもりだ。
2点も相手に取られたりしたら、奇跡でも起きない限り、この試合勝ち目は無い。
ゴール付近まで戻っていた私は、このピンチをどうにか避けようとゴールまで全力で走る。
オルフェウスの為、鬼道達の為、フィディオの為。
「“皇帝ペンギンX”!!!」
ゴール前に立ち、両足で思いっきり踏ん張る。
『“投網の三叉槍”ッッッ!!!!!』
———パチンッ!
指を鳴らす合図と共に、剣闘士“レティアリィ”が刃が3つに分かれた槍“三叉の槍”を構えている姿が見える。
目の前には、“皇帝ペンギンX"。勢い良くスピーディーなペンギンを前に、剣闘士が槍を振り上げる。
『ッ、はァァァアア、アアアア!!!!!』
その瞬間、向きが変わった。
剣闘士の槍が、打ち返したのだ。
そして、ゴールまで距離はかなりあるが、勢いは留まることなく、更に加速し、ゴールへと突き刺さった。
『、っと。———ッッ!!??い、った、』
急に足に激痛が走った。ズキン、ズキンと足首に走る痛み。
多分、さっきの必殺技で足を痛めたのだろう。
「・・・サクラ?どうかしたのか?」
『! あ、・・・うん。、大丈夫、・・・っ気にしないで!』